【番記者の視点】G大阪、4連敗で16位転落…なぜ奪った後のミスは繰り返し起こるのか
◆明治安田生命J1リーグ第18節 札幌1―0G大阪(26日・札幌ドーム)
残留争いのぬかるみに、どっぷりと両足が沈んでいくような敗戦だった。ともに3連敗同士だった札幌に敗れて4連敗となり、J2とのプレーオフ圏の16位に転落。中盤で守備の強度が緩んだ隙をつかれた後半6分の失点は、好セーブを連発したGK東口でも防ぎようがなし。しかし失点以上に、ボールを奪った直後のプレーでミスが頻出し、自ら苦しい展開に陥っていった内容が気がかりだ。
「ボールを奪って安堵するうちと、奪った瞬間にすぐ(攻撃の)パスコースをつくる札幌。その差があったと思う」。DF昌子は、そう振り返った。ともにボールを奪われた瞬間から相手にプレッシャーをかける、という狙い。しかしボールを奪っても、パスコースを探して苦しい状況となるG大阪に対し、札幌は味方のサポートが速く、パスワークで守備網を突破する場面が目立った。
その理由を、昌子は「順位が低いこともあって、奪ったボールを大事にしたい、という思いがあるのかもしれない。それもわかった上で、思い切ってやらないと。もちろん、前の選手だけの問題ではない」と話した。相手に主導権を奪われた中でも、前半は無失点にしのぎ、ショートカウンターからMF石毛が決定機を迎えた場面もあった。しかしボールを奪ってもすぐミス、というダメージの大きいボールロストが重なれば、流れを奪い返すことは簡単ではない。
チーム全体が自信を失い、負のループに陥った流れを変えるのは、リスクを恐れず思い切ったプレーを選べる“肝の太い”選手か。すぐに中2日で広島戦(29日・パナスタ)がやってくる。敗戦に落ち込み、下を向いているようでは、このぬかるみから抜け出すことは簡単ではない。