「なんて自分は弱気なんや」播戸竜二がワールドユース準優勝で得たもの「PKは外してもいいから『蹴る』と言ってほしい」
「ボールが小野伸二に触られて笑顔になっていた」
元日本代表のMF鈴木啓太氏が、自身のYouTubeチャンネルで最新コンテンツを投稿。ゲスト出演した元日本代表FW播戸竜二氏が、準優勝した1999年のワールドユース(現・U-20ワールドカップ)を振り返っている。
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播戸氏はU-19日本代表初招集時に、小野伸二(現・札幌)、遠藤保仁(現・磐田)、高原直泰(現・沖縄 SV )らと初めて練習した際には「度肝抜かれた」という。小野がリフティングすれば「ボールが小野伸二に触られて笑顔になっていた」と独特の表現で回想する。
監督だったフィリップ・トルシエ氏は「どうやったら選手が実力を出せるのかを、緻密に考えながらやっていた」「食事への対応などから、パーソナリティをすごく見ている」と分析。これを受けて鈴木氏は「形は違えど(イビチャ・)オシムさんと似てる」と感想を述べた。
ワールドユースに日本は優勝を狙うと意気込んで臨み、順調にグループステージを勝ち上がる。ラウンド16の相手はポルトガル。後半、小野から絶好のバスを受けた播戸氏は、相手GKとの1対1の状況でシュートを止められてしまう。試合は1-1のタイスコアでPK戦にもつれ込み、キッカーに小野らが名乗り出るなか、決定機逸を引きずった播戸氏は手を上げられなかったという。
「なんて自分は弱気なんや」「あそこで蹴れる強さはなかった」と悔しがる播戸氏。この経験から、現役のFWには「PKになったら外してもいいから『蹴る』って言ってほしい」「PKは外国人が蹴ると言いがち。それを奪うようなメンタリティがないと、日本人FWは世界では勝てない」と主張。鈴木氏は「この話は深い」「面白いな」とうなった。
スペインとの決勝戦は、0—4で敗戦。ガンバ大阪で同僚だった稲本潤一(現・南葛SC)は、播戸氏いわく「Jリーグでボールを取れなかった選手はいなかった」「A代表の選手からもボールを奪えていた」という。ところが、スペインのシャビ(現・バルセロナ監督)相手には奪いに行っても「いとも簡単にクルッとうまくボールを隠された」という。「世界の壁は高い」と感じたと振り返った。
スペインがその後、シャビらを擁し2000年のシドニー五輪で準優勝、2010年の南アフリカW杯で優勝と、国際大会で結果を出した。「日本もそれをできた可能性があった」として、日本代表監督だったトルシエ氏、ジーコ氏、オシム氏、岡田武史氏と、戦術が「ぶつ切りだった。つながっていなかったね」と残念がった。「スペインは同じ“パスをつないでいくサッカー”」と考察し、戦術のつながりの重要性を強調した。