【G大阪】「悲観する内容ではない」と片野坂監督は振り返るも、試合後には珍しく…。逆転負けの横浜戦で見えた収穫と現実

「本当に途中から出るのは難しいと思いますけど…」

首位を走る横浜F・マリノスに対して、マンツーマン気味のハイプレスで果敢に挑み、先手を取ったガンバ大阪。痛恨の逆転負けで連敗は3に伸びたが、16日間の中断期間を経てチームが定めた「守備では前からアグレッシブに奪いに行きたい」という狙いは、一定の機能性は見せていた。

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「内容的に決して下を向く、悲観する内容ではなかった」と片野坂知宏監督が言えば、リスクのある戦い方を最後尾で支えた三浦弦太も「やろうとしているサッカーへのトライという意味では、ポジティブな部分も多かった試合だった」と振り返った。

狙い通りの配置と動きで相手のミスを誘発し、7分に先制点をゲット。前半だけでパトリックのヘディングシュートや小野瀬康介がディフェンスラインの背後に抜け出した場面など、横浜を相手に互角に渡り合った前半は、確かに今後につながるものだったのは事実である。

しかし、試合後の会見で選手への不満を口にしない指揮官が、この日は名指しこそしなかったものの、低調だった交代カードのパフォーマンスに言及した。

「本当に途中から出るのは難しいと思いますけど、どれだけ走って、パワーを出して守備も奪いに行く、ゴールも取りに行く、そういう姿勢を出してくれないとなかなかマリノスさん相手に、そして今後もあの状況から得点を取って、ひっくり返して勝点3を取るというのも難しい」

まだ1-1の同点だった58分に齊藤未月と柳澤亘を投入し、早めのテコ入れを図った片野坂監督だが、この日切ったカード5枚はいずれも不発。負傷明けの倉田秋は2か月以上、ピッチから遠ざかっていたこともあり責めるのは酷だが、とりわけ誤算だったのは、シーズン序盤にはダワンと強度の高いプレーを攻守に見せていた齊藤が、本来の出来にほど遠かったことである。VARで救われたがあわやPK献上という場面を含めて、らしからぬプレーが頻発した。

6節からの出場にもかかわらず、小野瀬と並ぶチーム得点王となる3得点目を叩き出したダワンは今や替えの効かない選手ではあるが、タフなダワンでさえ後半はやや動きにキレを欠いていた。

もっとも、横浜戦の後半、運動量と強度が落ちたのは相手のしたたかさが上回ったことも一因だ。「試合前の分析でそこは分かっていた」と水沼宏太は語ったが、クォン・ギョンウォンが高い位置まで潰しに来るのも織り込み済み。

「(レオ・)セアラ選手と西村(拓真)選手の関係性でボールを収められて、フリックでボランチが前向きにスペースに運んでくるので、長い距離を戻らないといけないシーンがあった。それが後半になって強度が落ちた要因にもなった」と山見が振り返ったように、戦術的に練度の高い横浜に走らされていたのも事実だった。

個の技術の高さに加えて、戦術的にも引き出しが多い上位相手に、一本調子のハイプレスだけでは難しいことをG大阪は身をもって知ったはずだ。

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