「ナショナル・ダービー」を制したG大阪 500試合出場の遠藤が2得点を演出し浦和撃破 Soccer Magazine ZONE web 10月17日(土)17時44分配信

1-2で敗れた浦和は年間首位陥落

 J1で注目の上位対決となったG大阪と浦和の一戦が17日に行われ、2-1でホームのG大阪が勝利した。

試合開始前の時点で年間首位の浦和にとって、勝てばG大阪の年間1位の可能性を消滅させることができる一戦。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督も「ナショナル・ダービーと呼ぶのにふさわしいカード」と意気込んでいた。一方のG大阪は、前節に警告を受けたFWパトリックとMF倉田秋が累積警告により出場停止。 主力を欠く中で迎えた一戦だった。

ゲームは意外な形で動いた。前半7分、前線でFW赤嶺真吾が浦和DF那須大亮と競り合ってボールをキープすると、中央の右サイド寄りにいたMF阿部浩之 につなぐ。阿部がゴール前にボールを入れると、前線に飛び出したのはこの日トップ下でスタメン出場し、J1通算500試合出場を達成したMF遠藤保仁。パスは遠藤と那須が交錯した地点に届いた。2人の動きに浦和の日本代表GK西川周作が判断を狂わされたのか、すり抜けたボールはそのままゴールへ。阿部の得 点と記録され、G大阪が先制した。

その後は、浦和がボールを保持する時間を長くしたが、ペトロヴィッチ監督が「互いに選手たちが慎重にゲームに入ってしまったのか、思うようにボールを運 べなかった。ミーティングで話していた形も出せなかった」と振り返ったように、攻撃の最終局面でスピードを上げることができなかった。攻めているように見 えて、G大阪の最終ラインに脅威を与えられないゲーム展開となり、1-0のまま前半は終了した。

終盤にズラタンが決め、猛攻を見せたが…

 後半開始から、ペトロヴィッチ監督はこの試合でユースからの昇格2年目でJ1通算50試合出場を達成したMF関根貴大に代え、FW高木俊幸をピッチへ。 MF梅崎司を右サイドに配置転換した。すると、浦和の攻撃にリズムが生まれ始め、より危険な形でG大阪のゴール前に進出していった。だがサイド攻撃は機能 したもののクロスの精度が低く、決定機を作り出すには至らない。

G大阪の長谷川健太監督は、「前で起点を作れていなかったので、より高い位置でボールを収めたかった」と、赤嶺に代えてFW長沢駿を後半11分に投入。直後の同14分、この交代策が奏功する。

ゴールほぼ正面の約35メートルの位置からのFKで、キッカーの遠藤が右足を一閃。「良い動きをしていたのが見えていた」と語った司令塔は、長沢が浦和 DF槙野智章との駆け引きで前に入る瞬間を逃さなかった。スーパーサブのヘディングでわずかにコースを変えたボールは、そのまま浦和ゴールに吸い込まれ た。1点目のリプレー映像のようなゴールで、G大阪が2-0とリードを広げた。

浦和は同23分にFWズラタンを前線に投入し、同点ゴールを狙いにいく。特に残り10分を切ってからは、浦和が猛攻撃を見せたが、ゴール前でフリーに なったMF柏木陽介のシュートをGK東口順昭がファインセーブで弾き出すなど、スコアは動かない。しかし、アディショナルタイムに入った直後にFWズラタ ンが1点を返すと、スタジアムの空気は一変。勢いに乗った浦和は試合終了間際、DF森脇良太のクロスに中央でズラタンが頭で合わせたが、このシュートは惜 しくもゴールポストを直撃。こぼれ球を再度ズラタンが押し込みにいったが、これはクロスバーの上へ。直後にタイムアップの笛が鳴り響き、G大阪が2-1で 勝利した。

ACL準決勝第2戦へ弾みのつく勝利に

 この結果、同時刻に行われた試合で広島が川崎に2-1と勝利したため、浦和は勝ち点65で並びながら、得失点差で年間2位にダウン。4位のG大阪はこれ で勝ち点57とし、残り3節で浦和と広島の双方が勝ち点1以内に終わるという厳しい条件ながら、年間1位の可能性を残した。

G大阪は21日に、ACL準決勝第2戦の広州恒大戦を控える。長谷川監督は「今日、休んだ選手も戻ってくる。レッズに勝利したことは自信になる。ACLの決勝に進めるように頑張りたい」と語った。浦和撃破を追い風に、初戦の敵地での1-2敗戦からの大逆転を誓っていた。

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