清水のオ・セフンが先制点を決めるもガンバ大阪、片野坂知宏監督が「われわれの武器の1つ」と語るパワープレーで呼んだ“最後の最後でのドラマ”【清水vsG大阪】(1)
【明治安田J1リーグ 第8節 清水エスパルスvsガンバ大阪 2022年4月10日 13:03キックオフ】
晴天に恵まれた日本平は絶好の観戦日和となったが、歩くと汗ばむ陽気はミッドウィークにも試合が開催されて連戦となった選手たちにとっては少々酷なものとなった。
ガンバはここ2試合の内容が良く、片野坂知宏監督は「ずっと連戦を戦っているメンバーだったので少しフレッシュな選手というのも考えたのですが、(前2試合で)自分たちの戦いというものを出し切ってくれていたので、その勢いを大事にしたいなということで、今日もそのメンバーで臨むようにしました」というスタメンを並べたが、前半から主導権を握ったのはホームの清水だった。
水曜日の浦和戦で試運転を終えた新戦力のセンターフォワード、オ・セフンが献身的な守備とポストプレーでチームを安定させると、中山克広、後藤優介、鈴木唯人らがダワンと齊藤未月の潰しをいなし、山原怜音と原輝綺がサイドで主導権を握った。
後半になっても清水ペースは変わらず、57分にはオ・セフンが先制ゴール。その後も試合を優位に進める清水がそのまま勝利しそうな予感が漂ったが、ガンバの片野坂監督は大胆な選手交代で流れを変えようと試みた。
■ガンバが勝ち点1を確保する結果に
70分にダワンと齊藤のダブルボランチを山本悠樹と奥野耕平のコンビにスイッチ。79分には高尾瑠を下げてレアンドロ・ペレイラを投入し、パトリックとのダブルターゲットで強引に猛攻を仕掛けた。
割り切ったガンバに押し込まれるようになった清水は、鈴木を下げて立田悠悟を投入。センターバックを増やし、こちらも割り切って守り抜くことを選んだ。
互いに割り切ったことでそれまでとは全く異なるテイストの試合になった最終盤、5分と表示されたアディショナルタイムがいつ終わってもおかしくない中で、フリーキックのこぼれ球を小野瀬康介が思い切り振り抜くと、選手たちが多数重なった中でも反応してみせた権田修一の手をボールの勢いがほんの僅かだけ上回り、最後の最後で同点に。「ジュビロ戦でもパワープレーで同点に追いついていますし、われわれの武器の1つ」(片野坂監督)、と割り切った戦い方により慣れていたガンバが勝ち点1を確保した。