JFAの宮本恒靖理事、初の国際業務 元イタリア代表DFマテラッツィを“削る”
【ドーハ(カタール)31日=金川誉】日本サッカー協会の宮本恒靖理事(45)が、4月1日のカタールW杯抽選会の前日に行われた各国のレジェンドOBたちも参加したエキシビジョンのサッカートーナメントに出場した。FIFAチームやUEFAチームなど様々なチームが構成される中、宮本理事はAFCの一員として元イラン代表FWマハダビキアらとともにプレー。ピッチ内外で交流を深めた。
試合では現役時代と同じセンターバックとして、守備の要を担った。元イタリア代表MFピルロや、元アルゼンチン代表MFマスチェラーノ、さらにFIFAのインファンティノ会長も擁したFIFAチームとの対戦では、同会長を徹底マーク。試合が白熱すると、現役時代は荒い気性で知られた元イタリア代表DFマテラッツィと激しく競り合い、“削る”シーンも。「この試合に出る、と聞いてからは、少し準備はしていました」と笑い、久々のプレーを楽しんだ。
現役時代は2002年日韓、2006年ドイツW杯に出場し、引退後は昨季途中までG大阪監督を務めた宮本理事。現場を離れた中、JFAでは理事に加えて会長補佐と国際委員長を兼務し、この日はFIFA総会にも参加。「総会にも出て、いろいろ勉強しながら、面白いなと感じました。今はこの立場でしっかりとやる。サッカーの現場的な目はキープしつつ、こういうところにくればフットボールコーチではなくなる」と、“背広組”として自らの経験を活かしつつ、学びを得ることも意識していた。
また、この日はプレーしなかった元韓国代表MFパク・チソンと旧交を温める場面も。宮本理事が「何で(プレーを)やらへんねん」と声をかけると、「まだまだ走れますね」と日本語で返されたという。「じっくりしゃべる機会、とまではいかなかったけど、後々そういう人たちとつながることができれば」と話した同理事。新たなキャリアでも自身の経験を生かし、日本サッカーの発展に貢献する。