【番記者の視点】3失点敗北のG大阪 片野坂監督の悔恨と、DF昌子源が訴えた問題点
◆明治安田生命J1リーグ第5節 G大阪2―3福岡(19日、パナスタ)
3点を先行され、試合終盤に2点を返したが届かずに敗れた福岡戦。片野坂知宏監督は、機能しなかったチームの問題点を問われると、敗因を自らに向けた。「私自身の選手へのアプローチが、まだまだ足りない部分もあるのかなと思います。選手のパワーを半減させてしまわないように、選手が思い切ってプレーに集中し、力を出せるようにしていかなきゃいけないと少し反省しています」。この試合のマネジメントについて後悔の念があるかのように、悔しげに言葉を絞り出した。
立ち上がり、前半10分に失点。DF三浦がマークしていた福岡FW山岸へのパスはミスとなったように見えたが、これが不運にも三浦の裏をつくスルーパスとなり、最後は逆サイドのMFクルークスに決められた。「(試合の)入りは集中しようと口酸っぱく言ってきたが、難しい失点となった」と指揮官が振り返ったように、前節磐田戦に続いて早い時間での失点。リードを奪った福岡は積極的な守備からカウンター、という狙いがより定まり、G大阪はボールを保持しても堅い相手の守備をこじ開ける一手がなかった。その中で後半13分、同36分にも失点。終盤はFWレアンドロ・ペレイラ、パトリック、さらに三浦まで最前線に上げるパワープレーで2点を返したが、3失点は重く勝ち点1にも届かなかった。
この敗北を受け、DF昌子源はある問題点を訴えた。「早い時間に失点しないにこしたことはありませんけど、失点しても試合が終わるわけじゃない。負けました、みたいな雰囲気にチームがなってしまう。メンタル的なところを、僕も含めて盛り上げていけたかな、と思いました」。確かに先制点を奪われた後、福岡に押される時間帯が続いた。「試合の入りは集中しよう」という指揮官の“口酸っぱい”指示を守れず失点したことで、チームは自信を失ったようにも見えた。
片野坂監督が「反省している」と語ったのも、この点に理由があったのでは、と推測する。リーグ戦は開幕5試合で1勝2分け2敗。エースの宇佐美、守護神・東口がともに負傷で長期離脱というアクシデントも重なる中で、選手たちが自信を持つにはまだ成功体験が少ない。そんな中でも、いかにプレッシャーという足かせを外し、自信という下駄を履かせて選手たちに力を発揮させるか。それはシステムや戦術と同様に、監督の腕の見せどころでもある。