川崎 後半ロスタイム衝撃ドロー弾 小林がGK背後からボール奪取、レアンドロ ダミアン無人のゴールへ
◆明治安田生命J1リーグ 第3節 G大阪2―2川崎(6日・パナソニックスタジアム)
川崎が“珍ゴール”で後半ロスタイムに同点弾を奪い、G大阪と2―2で引き分けた。ロングボールを蹴ろうと足元にボールを転がしたG大阪GK石川慧(29)の背後からFW小林悠(34)がボールを奪い、FWレアンドロダミアン(32)が無人のゴールに流し込んだ。浦和はホームで湘南を2―0で下し、今季5戦目で初勝利。新加入のDF馬渡和彰(30)がJ在籍7クラブ目のゴールを決めた。
会場騒然の衝撃的なゴールが決まった。川崎が1点を追う1―2で迎えた後半ロスタイム。猛攻を仕掛けるFWレアンドロダミアンのシュートをG大阪GK石川がキャッチした。石川がゆっくり時間をかけて大きく蹴り出せば、もう間もなく試合終了―。誰もがそう思った。しかし、FW小林は諦めていなかった。
全員がGKのキックに備えて帰陣する中、小林はひっそりとペナルティーエリア内に残った。石川の死角となる背後の位置で息を潜めた。石川がロングボールを蹴ろうとボールを足元に転がした瞬間、即座にダッシュ。倒れ込みながら懸命にかき出したボールを、ダミアンが無人のゴールに流し込んだ。わずかな隙を逃さない、執念のゴールだった。
「終盤で追いつくことができたことはチームにとって良かった」と振り返ったダミアンはゴール直後、失意のあまり立てない石川の姿に気がつくと、駆け寄って抱き起こした。得点した選手が決められたGKを励ますという、異例の光景だった。
試合内容は“負け試合”だった。立ち上がりからG大阪の鋭いプレスに苦戦。0―1の後半30分にFW宮城の今季初ゴールで一時同点に追いつくも、わずか2分後に勝ち越しを許した。鬼木達監督(47)も「良くなかった。敗戦のゲームだったと思っている。もっと積極的に戦わないといけない」と厳しい表情だった。
それでも執念は実り、相手の“ミス”を見逃さない形で勝ち点1は得た。ダミアンは「(今日は)連戦の中で出場していた選手もいる。次のゲームまで少し時間があるので、いい準備をしていきたい」と気持ちを切り替えた。過密日程の中で行われた開幕5連戦は3勝1分け1敗で終了。得失点差で横浜Mに首位を明け渡したものの、リーグ3連覇へ向けてまずまずのスタートを切った。