G大阪が福田湧矢V弾で片野坂監督初勝利「ご褒美をいただいた」劣勢の中での白星に安どの表情
◆明治安田生命J1リーグ 第2節 浦和0―1G大阪(26日・埼玉)
明治安田生命J1リーグは7試合が行われ、G大阪はアウェーで浦和に1―0と勝利し、今季就任した片野坂知宏監督(50)に初勝利を贈った。浦和に押し込まれる苦しい展開の中、後半38分に途中出場のMF福田湧矢(22)が決勝ゴール。今季3試合目、J1リーグ2試合目で、新監督が待望の勝利をつかんだ。
ベンチ前のテクニカルエリアで、片野坂監督は選手たちと同様に戦っていた。声を枯らして指示を送り続け、迎えた後半38分。浦和MF岩尾が退場してできた一瞬の隙に、MF福田がエリア外から放ったシュートはDFに当たってコースが変わり、先制ゴールが生まれた。「何とか粘り強く、もぎとった勝利だと思う。ご褒美をいただいた」。多くの時間で浦和に圧倒された中でつかんだ初勝利に、安どの表情を浮かべた。
昨季まで6年間率いた大分での組織的な攻撃サッカーが評価され、昨季は残留争いに巻き込まれたG大阪の再建を託された。「ボールを大事にして主導権を握る」というコンセプトの下、チームづくりを進めているが、この日は浦和に支配される時間が長かった。それでも守備組織は崩さず、ワンチャンスを生かして待望の1勝をつかんだ。
現役時代の最後を過ごした古巣・大分がJ3に降格した16年、恩返しのために監督就任を決意するなど、実直で義理堅い人柄。G大阪でコーチを務めていた09年から片野坂監督を知るFW宇佐美は「僕が16歳の時から印象は変わっていない。ぶれずにやっているんだな、と感じます」と明かす。
決勝点の福田は「本当に熱い監督だし、ガンバを変えたい、チームを勝たせたいと伝わってくる。みんな監督を勝たせたい、という気持ちだと思う」と語った。指揮官のカラーは、劣勢でもチームのために走り続けた選手たちのプレーに反映されつつある。変革を目指すG大阪が、初勝利でまずはその第一歩を踏み出した。