G大阪ルーキーMF中村仁郎、大阪ダービーで先発デビュー 2失点に絡み「課題が多い」
◆YBCルヴァン杯 ▽1次リーグA組第1節 C大阪 3―2 G大阪(23日・パナソニックスタジアム吹田)
G大阪のパリ五輪世代の18歳MF中村仁郎が、ルヴァン杯・C大阪戦でプロ初先発を果たした。ユースから今季トップチームに昇格した左利きのアタッカーは、前半に苦手の守備で2失点に絡んだが、後半は持ち味のドリブルなどでチャンスを演出。しかし得点に絡むことはできず、チームも惜敗。フル出場を果たした試合後は「課題が多い。攻撃だけでしか個性を出せないのは良くない。どのポジションでもチームのためになるプレーをしないと」と反省が口をついた。
本来は2列目を得意とするが、この日は右ウイングバック(WB)で先発。「(WBは)やったことなかったし、苦手意識は持っていた」というポジションで、相手のプレッシャーをまともに受け、何度もボールを失った。さらに守備でも自身のファウルで与えたFKから先制点を奪われ、ボックス内で競り負けたプレーが2失点目につながるなど、悔しい45分間となった。
前半の出来から、ハーフタイムには交代がよぎったという。しかし片野坂監督は後半、中村を本来の右シャドーへ移し、右ウイングバックにMF柳沢を投入。すると中村は「一番得意なポジションだし、前半ふがいないプレーが続いたので、やれるプレーでチームを助けられたら」と気持ちを切り替えて後半へ。同18分には右サイドからの完璧な左足クロスをMF福田に合わせて決定機を演出。同32分には得意のカットインからシュートも放つなど、何度もチャンスに絡み「後半は視野も広がり、自信もついた」と振り返った。
片野坂監督は、守備の課題なども理解した上で、中村をWBで先発させた理由を「前向きにプレーすることができれば、彼の良さが出るかなとチャレンジしました」と説明。後半は本来のポジションで爪痕を残した18歳に「疲労が見られる中でも走り切ってくれた。チームを勝たせる選手になってほしい。出た課題を生かしてやってほしい」と期待をかけた。
ユース時代からその攻撃センスは高い評価を受け、20、21年には途中出場でJ1のピッチにも立った中村。将来的には海外移籍などステップアップも目指しているだけに、守備も含めた総合力のアップは必須だ。チームはJ1開幕から2連敗を喫し、課題が山積。しかしルーキーが味わった前半の悔しさと後半の自信は、間違いなく成長の糧となる。