「結論は非常に残念」パトリックの退場処分は妥当か? 元国際審判員の家本氏が率直意見
「パトリック選手が可哀想かなと」
パトリックの退場処分は妥当だったのだろうか――。
2月19日に行なわれたJ1リーグ開幕節、ガンバ大阪対鹿島アントラーズ(1-3)で起きたパトリックの一発レッドを、DAZNの配信番組『Jリーグ ジャッジリプレイ』で取り上げている。
【動画】レッドは妥当? 物議を醸しているパトリックの一発退場シーン(1分35秒~)
問題となったシーンは38分。G大阪のパトリックが激しい接触で鹿島の鈴木優磨とともにピッチに倒れた際、起き上がろうと足に絡みついた相手の手を振りほどこうとした行為が、乱暴なものだと見なされ、一発レッドで退場処分が下された。
この主審の判断に、昨シーズン限りで審判を引退した元国際審判員の家本政明氏が番組にゲストで出演し、率直な意見を述べた。
「こういう表現が正しいか分からないですけど、パトリック選手が可哀想かなという気はしましたし、鈴木(優磨)さんになにも対処できなかったというところは非常に残念なところだったかなというのが、僕がいくつかのアングルの映像を観た結論です」
ではどうして、この試合の笛を吹いた荒木友輔主審はこうした判断に至ったのか。家本氏は、事象が起きた際の審判の立ち位置に問題があったと話した。 「レフェリーはこの(ふたりが重なって見える)位置だと、報復や肘が相手に当たったという印象を受けると思うんです。ただ別角度の映像を観ると、そんなに(肘は)当たっていないんですよね。肘を当てにいくというよりは、(相手に足を)抱えられているので、それをなんとか阻止しながらボールの方に行きたいという分析をするのが正しい判断なのかなと」
また、なぜVARでオンフィールドレビューが行なわれなかったのかについては、「仮に荒木さん自身が、見えている事実が少しダウト(疑いがある状況)だと。不確かな要素が多すぎるから現場ではこういう判断をするけど、違うよねと思ったら、映像を欲しいということはできたのかな」と指摘した。
そのうえで、「荒木さんはもう少し自分を客観的に判断、本当に自分が事実を正しく適切な角度や距離で判断できたのかとか、ほかの副審もそうですよね。そういう自分の判断に問いかけがあれば、冷静になるだろうし、望ましい結論に至った可能性がある」と論じた。
解説の最後に家本氏は改めて、「パトリックさんが可哀想」と表現。「彼がピッチを離れるときにお辞儀をしていたのは、本当に人格者だなと思いますし、日本人の心をすごく感じた。僕は最大限の敬意を表したいと思います」と、パトリックがピッチを去る際に見せた行動にリスペクトの意を示した。