J1開幕<キーマン候補に聞く>G大阪MF斉藤未月「泥臭く、気持ちを前面に」

G大阪は19日、J1開幕戦の鹿島戦(パナスタ・14時キックオフ)を迎える。スポーツ報知では、今季のキーマン候補として新加入のMF斉藤未月(23)にインタビューを実施。湘南での活躍からロシア1部・ルビン・カザンでの欧州挑戦を経て、期限付き移籍でG大阪に加わった若きボランチに、今季にかける思いを聞いた。

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―沖縄キャンプでチームに合流、開幕を前に片野坂監督のサッカーをどう感じている?

「明確な片さん(片野坂監督)のビジョンがあって、やりたいサッカーがある。どういうふうにプレーしたいかっていうのは、練習含め、共有できています。本番でそれをいきなり出すのは、簡単なことじゃないですけど、今までとは違うスタイルを持ったサッカーができるんじゃないかなと思います」

―その中で感じる、自身の役割は?

「徐々にわかってきています。まずは走って戦う、という持ち味はすごく求められている。守備力、ボールに強く行けて、奪い切るという部分は自分の良さ。攻守においてチームのために走る。一番はそこが求められていると思うんですけど、プラス中盤の選手として、ボールをしっかり握って動かす。点を奪いに行くというのは、中盤の選手は共通して求められていると思います」

―加入直後の取材では、攻撃面での成長は自身の課題だとも聞いた。具体的にはどんなプレーを?

「中盤でプレーする上で、相手を一枚(ドリブルで)はがすとか、ペナルティーエリア近くでクロスを上げきるプレーです。湘南時代にもあったんですけど、その回数をもっと増やしたい。守備の良さだけでは、今後チームを勝たせる選手にステップアップするのは、難しいと感じています」

―昨季移籍したロシアのルビン・カザンでのプレーについて。加入当初は練習試合で活躍している情報が日本にも聞こえてきていたが、その後負傷で出場機会を失った。

「監督(かつてCSKAモスクワで本田圭佑を指導したスルツキ監督)とも英語でコミュニケーションを取れる部分もあって。どういうプレーをしてほしいのか、すごく細かく伝えてもらっていた。プレーも練習試合含めてよくて、このまま活躍して、チームとしてもステップアップできる、という手応えはあったんですけど、怪我をしてしまって。復帰後は話せることも話せないこともありますけど、色々こじれてしまった。1年半の契約で、残り半年あったんですけど、ダラダラしている状況は良くないと。代理人とも話し合って、移籍を決断しました。怪我をしても、あいつは使わないと、と思わせるポテンシャルがあれば問題なかったはず。矢印を外に向けることもできますけど、自分に向けることもできると思うので。悲観的にはなってはないです」

―欧州に行く前から、英語は堪能だったと聞く。子供のころはインターナショナルスクールに通っていたとか。

「小学校卒業まで通いました。物心つく前から、そういう環境においてもらえたことには、両親に感謝したいと思っています。インターに行ったおかげで、自分の性格、自己主張の部分や、気づいたことを他人に発信するという部分は学んだ。プラスのことが多いです。どんな授業でも、人に答えをもらうんじゃなくて、自分で何かを考えて答えを導きだす、という指導方針でした。1+1=2と答えを教わるんじゃなく、なんで2なのかを考える、という感じです」

―年代別の日本代表でも主将を務めるなど、リーダーとしてチームに発信することも多い斉藤選手。今のG大阪で感じていることは?

「やっぱりこのチームには、勝たないといけない、勝ちたいという雰囲気、クラブ全体として強い集団でありたいっていう空気をひしひしと感じます。そういうメンタリティーに、僕自身もいい意味で変わっていかないと。個人的には発信発言するとか、自分が主張するっていう部分はチームとして求められているなと思うので、そこも投げかけていけたら」

―重圧の中でプレーしたいという思いが、G大阪に移籍した理由にもなるのか。

「そうですね。その部分は一つあります。プラス、自分個人として成長するために何が必要かと考えた時、片さんのサッカーのスタイルは、僕が今後もっと成長する、クラブを勝たせる存在になるために必要になると思いました」

―湘南時代などとは違い、片野坂監督は主導権を握って戦うことを目指す中で、どういう持ち味を出せるか

「現代サッカーは攻撃だけとか、守備だけやってればいいっていう時代ではない。中盤の選手はよりタスクを多くこなさないといけない。現実的には、ペナルティーボックスに入る回数を増やさないと。チームとしてボールを握ろうとしているので、必然的にボールを触る回数は増えると思うので、トライしたい」

―自身のイメージする理想のプレーヤー像などはあるか

「ずっとカンテ(フランス代表MF、チェルシー所属)は好きです。日本には攻撃で技術のある、うまい選手は多いですが、守備の部分で違いを生み出せる選手は数多くはない。自分の特徴、ストロングの部分ですし、そこはもっと出せるんじゃないかなって思います」

―今シーズン、具体的な数字の目標などはあるか

「湘南から移籍する前は5得点5アシストとか、10っていう数字を意識してました。今は数字より、サポーターのみなさんや、チームの中で、攻撃にも守備にも斉藤未月が出てくるな、という印象を残したい。走って両ゴール前に顔出して。G大阪には、泥臭いプレーが持ち味の選手が多いとは思わないので。気持ちを前面に出してやるっていうのは、僕が一番得意とする部分。そこは一つキーになるのかな」

―チームとしては3位以内という目標がある

「もちろん簡単な事ではないと思いますけど、このチームのメンバー、質、監督がやりたいことを考えれば可能だと思う。シーズン序盤からギアをあげてやっていきたい。もちろん積み上げも必要だと思うので、シーズンが終わったときにそこの順位にいられるようにしたい」

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