【2022シーズン「J1注目選手10人」とフォーメーション】(3)「ヴィッセル神戸」イニエスタ高評価の扇原貴宏・「ガンバ大阪」カタノサッカーで再起図る齊藤未月・「横浜F・マリノス」内田篤人氏が絶賛の藤田譲瑠チマ・「京都サンガF.C.」フィジカルで違いを生みだす山凌吾!
いよいよ2022シーズンのJリーグが開幕を迎えた。編集部では、J1クラブに所属する注目選手10人を選出して紹介する。そして、そのチームの開幕節予想スターティングメンバーに組み込んで、フォーメーション図を作成した。
■【図表】2022シーズンヴィッセル神戸・ガンバ大阪・横浜F・マリノス・京都サンガF.C.の理想布陣
■イニエスタが高評価のMFが神戸に加入
昨季はリーグ3位でフィニッシュし、クラブの最高順位を更新したヴィッセル神戸。
今冬の移籍市場で獲得した人数は決して多くはない。それでもドリブルとカットインシュートが特長のMF汰木康也や、言わずと知れたDFリーダーの槙野智章など、各ポジションを大きく強化できるような適材適所の補強を実行した。
そのなかでも即戦力として注目を浴びるのがMF扇原貴宏だ。低い位置からの組み立てを得意とするボランチは、正確な左足から繰り出される長短のパスで相手組織を破壊できる存在。扇原がいることによって、攻撃の核となるMFアンドレス・イニエスタをさらにゴールに近い位置でプレーさせることができるだろう。
また扇原は、そのイニエスタが獲得を熱望したと言われるほど。横浜F・マリノスでは腕章を巻くこともあった30歳のプレーに期待が寄せられる。
加えて、かつてセレッソ大阪で共闘したMF山口蛍とのコンビ再結成も楽しみな要素の1つだ。
■欧州挑戦が失敗に終わった齊藤未月はカタノサッカーで再び輝けるか
新型コロナウイルスに振り回され、昨季は思うように戦えなかったガンバ大阪。
13位と不本意なシーズンに終わったが、クラブは新指揮官に片野坂知宏監督を招へい。「チーム再建」という側面の手腕は、大分トリニータで証明済みだ。
攻撃的で戦術的なサッカーを志向する監督の下、それを体現するべくレンタル移籍で加入してきたのが齊藤未月。2021年は湘南ベルマーレからロシアのルビン・カザンに武者修行に出たが、負傷して本領発揮ならず。
それでも、攻守にアグレッシブな湘南のスタイルを備えた23歳は、カタノサッカーに必要不可欠なピースになるだろう。再起に向かって走り出す逸材に注目したい。
■内田篤人氏が絶賛のパリ五輪世代MF
アンジェ・ポステコグルー監督と前田大然がセルティックへと渡った上に、チアゴ・マルチンスやティーラトン、扇原貴宏も移籍した横浜F・マリノス。
その状況下で、昨季2位のチームが王座奪還のために獲得した選手のなかで高く期待されるのが、徳島ヴォルティスから完全移籍で加入したMF藤田譲瑠チマだ。
まだ20歳ながら当たり負けしないフィジカルを備えており、高いボール奪取能力を誇る。それだけではなくビルドアップでも貢献できる現代型のボランチで、高いインテンシティが求められる横浜FMのスタイルにもすぐ順応できるだろう。
内田篤人氏が注目選手として挙げたパリ五輪世代のMFは、セレッソ大阪との開幕節で早速のスタメン出場もあり得る。
■経験豊富なFWは京都を残留に導くことができるか
12年ぶりにJ1の舞台で戦う京都サンガF.C.。
当面の目標である残留を成し遂げるべく多くの選手が加入したが、即戦力として期待されているのが山凌吾だ。
187cmの巨躯を活かしたポストプレーなどにより前線で起点を作ることができるストライカーは、昨季は負傷の影響で出場時間は十分ではなかったものの、ピッチに出たときは確実に存在感を発揮した。
かつて湘南ベルマーレでプレーしていたときにチョウ・キジェ監督と共闘した29歳は、J1に戻って来た京都を残留に導くことができるだろうか。ピーター・ウタカとのポジション争いにも注目が高まる。