【2022年J2開幕直前!!】J3から昇格の熊本に加入「橋岡大樹・伊藤洋輝と同年生まれ」の即戦力大卒ルーキーFW、「堂安律・田中碧と同学年」東京V・佐藤凌我は「2年連続2ケタ」でさらなる飛躍へ!【J1昇格を左右する8人の注目ストライカー】(#2)
2022年のJリーグ開幕が、いよいよ近づいてきた。J2はコロナ禍以前のレギュレーションが復活した。上位2チームがJ1へ自動昇格するのに加えて、3位から6位のチームがJ1参入プレーオフを争うことになる。
J1昇格をめぐる争いは、ストライカーの戦いでもある。得点源として期待される選手の活躍は、チームの成績を直接的に左右するからだ。今シーズンのJ2で活躍が期待される、8人の日本人ストライカーを紹介する(#1、2のうち2)。
■熊本の土信田は即戦力の大卒ルーキー
昨シーズン10位の水戸ホーリーホックは、2月13日に行なわれた鹿島アントラーズとのプレシーズンマッチで1対0の勝利をつかんだ。この試合では浦和レッズから完全移籍した木下康介が、決勝点をマークしている。
新加入のストライカーは、木下だけではない。ガンバ大阪から唐山翔自が期限付き移籍で加入し(昨シーズンは愛媛FCでプレー)、中盤でも前線でもプレーできる高井和馬がレノファ山口FCから加入した。
J3のテゲバジャーロ宮崎からも、即戦力がやってきた。24歳の梅田魁人だ。
20年に当時JFLの宮崎の一員となり、JFL新人王に選ばれた。チームがJ3に昇格した21年は、9得点7アシストを記録してチームの3位躍進に貢献した。
177センチ、75キロの梅田は、シュートセンスと技術に優れたストライカーだ。フィニッシュの局面で、アイディアや意外性を発揮することもできる。
水戸の秋葉忠宏監督は、アグレッシブさとハードワークを大切にする。日々の練習から思い切ったチャレンジをすることで、梅田も試合に絡んでいくこがができるはずだ。
シーズンぶりのJ2返り咲きを果たしたロアッソ熊本にも、将来性豊かなストライカーがいる。大卒キーキーの土信田悠生だ。ちょっと珍しい苗字は、「としだ」と読む。
21年の関東大学リーグで、得点王に輝いた。インカレでも得点王を射止め、母校の駒澤大学の優勝に力を注いだ。
182センチのサイズを持ち、ヘディングは破壊力がある。熊本入りに際しては「うまくもすごくもない選手なので、自分にできることを精いっぱいやっていきます」と控え目だが、ゴール前のシビアなエリアへ迫力十分に飛び込んでいける。昨年5月の天皇杯1回戦では、当時J2のSC相模原の守備陣に果敢に挑んでいった。フィジカルのバトルで見劣りしなかった。
熊本にはステップアップの先例がある。20年に当時J3のチームでリーグ得点王に輝き、21年にアルビレックス新潟へ引き抜かれた谷口海斗だ。
1999年7月生まれは橋岡大樹(シントトロイデン/ベルギー)、伊藤洋輝(シュトゥットガルト/ドイツ)、山田康太(山形)らと同学年だ。すでに世界へ飛び出している選手もいる。プロ1年目とはいえ、土信田には結果が求められていく。
■東京Vの佐藤は2シーズン連続の2ケタ得点を狙う
プロ2年目の飛躍を期す誓う選手もいる。東京ヴェルディの佐藤凌我だ。
明治大学から入団した昨シーズンは、プロ初先発となった4月の水戸戦で2ゴールの衝撃デビューを飾った。開幕から最終節までチームでただひとり全試合に出場した。ラスト6試合は連続してスタメンに名を連ね、5ゴールを記録した。ゴール前での落ち着き払ったフィニッシュワークは秀逸で、得点ランキング7位タイの13得点を積み上げた。
東京Vの主力クラスは、他クラブのターゲットになることが多い。ここ数年だけでも、渡辺皓太(横浜F・マリノス)、藤本寛也(ジル・ヴィセンテ/ポルトガル)、井上潮音(ヴィッセル神戸)、藤田譲瑠チマ(徳島ヴォルティスから横浜F・マリノス)、山下諒也(横浜FC)らが、伝統あるよみうりランドのグラウンドから羽ばたいている。
ルーキーイヤーに2ケタ得点を記録した佐藤は、すでに他クラブが興味を示すタレントと言っていい。99年2月20日生まれでもうすぐ23歳になる彼は、堂安律や田中碧、上田綺世、冨安健洋と同学年になる。さらなる飛躍を見据えるならば、2シーズン連続の2ケタ得点は最低限のノルマだろう。得点王争いを演じるぐらいの活躍が欲しい。それが、東京Vを上位へ押し上げることになり、自身の未来を切り開くことにもなる。
昨シーズン16位からの巻き返しをはかりたい大宮アルディージャでは、河田篤秀が得点源となる。昨シーズン途中に徳島から完全移籍し、19試合出場7得点の成績でJ2残留の原動力となった。
19年から21年途中まで在籍した徳島では、ワンタッチゴーラーのイメージが強かった。ボレーのうまさも光った。それが大宮では、中長距離のゴールも見せるなど、多彩な得点パターンを披露している。
今シーズンの大宮は、日本人のみの編成でスタートした。FW登録は6人で、霜田正浩監督の構想の中心にいるのは河田だ。背番号を33から10に変えた29歳は、19年以来の2ケタ得点を自らに課し、大宮を上位へ押し上げていく。