【ガンバ大阪の予想布陣】注目はエース宇佐美貴史の起用法と井手口陽介の“後釜”。基本システムは3バックになるか
G大阪のDNAである4バックの可能性も残していたが、キャンプで3バック戦術の落とし込みを明言
Jリーグは2月18日に川崎フロンターレ対FC東京のカードでJ1が開幕。30年目のシーズンがまもなくスタートする。今企画では、J1全18チームの最新予想布陣を公開。プレシーズンの動きから各チームのスタメンとポジション別の序列を予測する。今回は昨季13位のガンバ大阪をピックアップする。
【画像】2パターンを想定! ガンバ大阪の2022シーズン予想フォーメーション!
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新型コロナウイルスによって沖縄キャンプはほぼ非公開。1月29日の帰阪後に選手とスタッフ12人が陽性判定を受け、2月5日までチームは活動を休止した。京都とのプレシーズンマッチも中止となり、サポーターが片野坂知宏新監督率いる「ガンバ版カタノサッカー」を見られるのは、2月19日のリーグ開幕・鹿島戦(パナスタ)が最初になる。メディアにとっても現状のスタメンが見えてこないのだが、これまでのオンライン取材の中から紐解いていける部分はある。
まずシステムは片野坂監督が大分時代のベースにしていた3バックになりそうだ。就任会見時に「選手の特徴を見て決めたい」とG大阪のDNAである4バックの可能性も残していたが、沖縄キャンプでは3バック戦術を落とし込んでいると明言。また「私がやりたいサッカーは、ボールをしっかりつないで攻撃を構築するもの。パススピードとかパスアングルとか、どう相手ゴールに向かっていくか」と攻撃のイメージにも言及。ディフェンスラインの横パスだけでは相手守備網を揺さぶれず、効果的なビルドアップにはならない。ボール運びが上手いDF高尾瑠や徳島で何度も鋭い縦パスを入れていたDF福岡将太は存在感を高めていくかもしれない。
ポイントはFW宇佐美貴史の起用法だ。宮本恒靖氏、松波正信氏が監督を務めていた時には「中盤に降りてくるな」と指示されていたが(それでも宇佐美が降りてこないとボールが回らない時が多々あった)、片野坂監督は「彼の判断でやってくれれば良い」と比較的自由を与えるようだ。宇佐美が昨年最も輝いたのは8月6日・横浜戦だ。トップ下として縦横無尽に動き回り、攻撃を活性化。2-3で敗れはしたものの、チームとしても昨季のベストバウトだっただけに、片野坂監督が宇佐美をトップ下に配置することは十分に考えられる。
ダワン、齊藤未月らハードワーカータイプの補強は大きい
ボランチではセルティックへ完全移籍したMF井手口陽介の後釜が誰になるか。期待値が高い分、低パフォーマンスに見えてしまう部分もあった井手口だが、ミドルゾーンで30回以上タックルをした選手の中ではレオ・シルバに次ぐ奪取率83・9%。全体でも76・1%と中盤のフィルター役としては機能していた方だ。片野坂監督のサッカーも前線からの積極的な守備も求められMFダワンやMF齊藤未月のようなハードワーカータイプを補強できたのは大きい。
昨年オフの補強では第1候補獲得には失敗したものの、全体的には片野坂監督の志向するサッカーにマッチする選手が揃った。その中で片野坂監督も「基本的な攻撃の狙いは意識してやって欲しいけど、決めすぎてもダメ。バランスを考えながら、タレントの良さが出るようにやりたい」と口にしているように、どこまでの「遊び」を取り入れられるか。大分では「型にはまったサッカー」で個を補ってきたが、J1で上位争いをするためには「型」を壊す力強さも必要だ。その意味では昨季低調だったFWレアンドロ・ペレイラを復活させることも指揮官には求められる。



