【J1採点&寸評】川崎×G大阪|代表DFを翻弄した中野のドリブルは圧巻。宇佐美以上の存在感を放った大久保が2ゴールで得点ランクトップに SOCCER DIGEST Web 10月4日(日)17時10分配信

プロ初ゴールを奪った中野がMOM。期待に応えた大久保も高評価。

【チーム採点・寸評】
川崎 7
開始早々の先制点、前半終了間際の一撃と良い時間帯でゴールを奪った。ポゼッションのリズムも良く、後半に3ゴールを奪い快勝。3失点は褒められたものではないが、「撃ち合いを制す」のが川崎スタイルだ。

G大阪 4.5
前半は川崎に主導権を握られて思うような形を作れず。前半終了直後、岩下がパトリックに身体をぶつけて怒ったのが機能不全を物語る(宇佐美が止めに入って収まった)。一時は同点に追いつく粘りを見せたが、終盤はガス欠に陥った。

【川崎|採点・寸評】
GK
30 新井章太 5
遠藤のキックは正面だったが、目の前に弾いて失点。コース自体は甘く、相手も狙っていただけに、弾き返す方向も考慮すべきだった。その他の2失点は相手を褒めるべきか。

DF
17 武岡優斗 6
身体を投げ出すスライディングでピンチを凌ぐなど、気迫溢れる守備は好感が持てる。対人プレーでは強さを発揮した。

5 谷口彰悟 5.5
パトリックと肉弾戦を繰り広げ、1対1では互角の攻防。しかし後半にはセットプレーでパトリックのマークを外して、ゴールを決められる。

8 小宮山尊信 6.5
11分の40メートル級ミドルは積極性の表われ。ただその後は無難なプレーに終始した印象。パスミスもあったが、82分に絶妙なパスを通して5点目の起点となった。

MF
16 大島僚太 6
球離れが良く、ポゼッションの潤滑油となる。中盤での肉弾戦でも、決して大きくない身体をぶつけて潰しにかかった。

14 中村憲剛 6.5
「ザ・ミドル」という一撃をゴール左隅に突き刺す。相手のマークを巧みにかわして、“いてほしい”場所に顔を出して攻撃のリズムを作る。守備でも中央突破はきっちり阻止。

18 エウシーニョ 6
リスクを恐れない大胆な上がりはこの日も健在。果敢なドリブルで3点目の流れを作ると、82分にはするするとゴール前に入ってゴールも奪った。

22 中野嘉大 7.5
先制点につながる“二枚剥がし”のドリブルは圧巻で、55分にも代表入りした米倉をかわしてゴール。「川崎のニューヒーロー」が代表DFを翻弄した。

FW
9 杉本健勇 6
労を惜しまない全力の守備が光った一方、攻撃面で変化を付けられず。62分に意表を突くシュートが最大の見せ場だった。

11 小林 悠 6
右サイドでボールを収めるも、前半はエリア内に侵入できず。それでもエウシーニョがドリブルするスペースを作るなど、動きの質は高い。

13 大久保嘉人 7
開始1分15秒の先制弾はチームの士気を高めた点で大きな意味を持つ。全力で戻ってボールを何度も奪い返し、「守備の献身性」を宇佐美にレクチャー。75分にPKを沈めてエースの格を示す。

交代出場
DF
20 車屋紳太郎 6.5
米倉にクロスを上げられて失点を許すも、直後にドリブル突破で米倉のファウルを誘ってPKを奪取。「やられたらやり返す」スタンスで、勝利に貢献した。

DF
4 井川祐輔 -
終了間際の90分に投入され、ソツなく試合を締めた。これといった見せ場はなかったが、勝利の瞬間をピッチで迎えた。

監督
風間八宏 7
大量5ゴールもまだ得点増の余地があり、攻撃サッカーのポテンシャルを存分に見せつけた。一時は3-3に追いつかれるも、攻撃の手を一切緩めなかった。

3得点の追い上げ力は称賛に値するも……ミスが多発し、寄せの甘さも露呈。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 4.5
珍しくつなぎのミスも見られ、チームメイトに謝る場面も。中村のミドルシュートに対してはまったく反応できなかった。大量5失点は屈辱以外の何物でもない。

DF
14 米倉恒貴 4.5
開始早々、中野に一発でかわされた、代表戦士らしからぬ“軽い守備”は減点対象。55分にも再び中野に抜かれた。3点目につながるクロスは光るも、直後にPKを献上と散々な一日に。

5 丹羽大輝 5.5
1対1では冷静な対応を見せたが、守備の統率力を発揮できず。個人としての目立ったミスはなかったが、周囲との連動性は課題が残った。

8 岩下敬輔 5
余裕を振りまいてキープも、小林に奪われて大きなピンチを招いた。前半終了直後、パトリックと一触即発のやりとりも。中央でマークが甘くなる場面もあり、守備組織は崩壊した。

22 オ・ジェソク 5.5
失点時の寄せの甘さは悔やまれるが、徐々に相手の動きに対応。対峙する機会の多かった小林は上手く抑え込んでいたが、リードを許す展開により戦術的交代を余儀なくされた。

MF
15 今野泰幸 5
3ボランチの中央で奮闘するも、バイタルエリアを使われた。途中から左ボランチ、終盤は左SBに回ったが、完全に裏を取られて失点を招いた。

7 遠藤保仁 5.5
GKとDFの間に入れたシュート性のボールは秀逸。同点弾につながるキックに、技術と経験が詰まっていた。CKからアシストもマークし、得点に絡んだ点はプラス査定。

13 阿部浩之 5
連戦の影響が大きいのか、身体のキレに乏しく、これまでのような激しい上下動は見られず。寄せるスピードも普段より遅く、相手に考える時間を与えてしまった。

19 大森晃太郎 5
守備に追われる展開が続き、攻撃面ではこれといった貢献ができず。プレッシングも十分に効いていたとは言えず、前半のみの出場でピッチを退いた。

39 宇佐美貴史 5
29分、ループで無人のゴールを狙うも数十センチ外れた。1点モノを外した責任は問われてしかるべき。前半終了間際には中野へのチェイスを諦め、その流れから失点した。

FW
29 パトリック 5.5
相手GKの取りこぼしを見逃さない老獪さは、やはり点取り屋の証。後半にはCKをヘッドで合わせてネットを揺らす。2ゴールは決して悪くない内容だが、それ以外で起点になれなかったのも事実。

交代出場
MF
17 明神智和 5
後半頭から中盤の底に入り、押し込まれながらも同点の流れを作った。ただ、終盤は川崎のパスワークを遮断できず、ミドルゾーンを自由に使われて対応が後手に回った。

MF
11 倉田 秋 5.5
クロスに合わせた鮮やかなボレーで反撃の狼煙を上げた。チームに勢いをもたらしたが、その時間は長く続かず、終盤は防戦一方となって存在感が薄れた。

FW
9 リンス -
相手に4点目を奪われた直後に投入されて、混戦からチャンスを迎えたがモノにできず。ゴール前で勝負する機会自体が少なかった。

監督
長谷川健太 4.5
3ボランチ気味に配した中盤は機能せず、バイタルエリアを自由に使われた。選手交代は一定の効果をもたらしたものの、守備を安定させられずに完敗。今後に不安を残す内容と展開だった。

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