【J1採点&寸評】G大阪1-3名古屋|狙い通りの形で3得点、執念の勝利! MOMは2発のシュヴィルツォクではなく…
G大阪――前半の3失点が致命的
[J1リーグ36節]G大阪1-3名古屋/11月20日(土)/パナソニック スタジアム 吹田
【チーム採点・寸評】
G大阪 5
前節、J1残留を決めて気が抜けていたわけではない。ただ、前半に喫した3失点が致命的だった。後半巻き返したのは評価できるが、前半で試合は決まっていた。
【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5
後半はリスク覚悟の攻撃を繰り出すなか、広大なスペースを積極的な飛び出しでケア。ただ前半の3失点は、さすがの守護神もノーチャンスだった。
DF
27 高尾 瑠 4.5(HT OUT)
名古屋ユース時代の同期でもある相馬にいいようにやられた。個人だけの問題ではないものの、あまりにも不用意に背後を取られた。
5 三浦弦太 4.5
2か月半ぶりの戦線復帰。対人の強さが売りのはずだが、相馬への対応に四苦八苦し、空中戦でも本来の強さがなかった。ブランクがあることを思えば、やや気の毒な面も。
13 菅沼駿哉 5
三浦との連携の問題もあるが、サイドを破られた際にケアすべきポイントを守れず。あっさりシュートを許してしまった。
4 藤春廣輝 5
個人の対応で大きなミスはなく、後半途中からは変則的な3バックの一角を初めて託されたが無難にこなした。ただ前田の存在を気にしたか、攻撃は自重した。
MF
15 井手口陽介 5(80分OUT)
持ち味であるはずの局地戦であまさが出た。1失点目もサイドで潰し切れず、柿谷に決定的なパスを許した。
29 山本悠樹 5(HT OUT)
組み立ての中心になる意識は見せたが、失点やピンチに繋がるパスミスが目立つ。チャレンジする姿勢が空回りし、前半のみでの交代もやむを得ない。
10 倉田 秋 5(59分OUT)
高尾との関係性はいまいちで、攻守両面で低調だった。パトリックへのロングボールのこぼれ球を狙う意識はあったが、いい形は皆無に近かった。
G大阪――パトリックは最後まで戦う姿勢を見せる
MF
8 小野瀬康介 5(59分OUT)
不慣れな左サイドでプレーしたことで藤春の良さを引き出せず。中央へ切り込んだりと工夫はしたが、怖さはなかった。シュート機で打ち切れなかったのも痛恨。
FW
39 宇佐美貴史 5.5
ボールが受けると相手に厳しく対応された。3点のビハインドにも気持ちを切らさず、一矢報いたいという気持ちが後半の得点に繋がったが、シュート1本はさみしい。
18 パトリック 6
前半は苦しい体勢でのプレーが多く、良さが出ず。ややイラつく場面もあったが、1点を奪いその後も相手の脅威に。戦う姿勢を最後まで保った。
交代出場
DF
26 柳澤 亘 5(HT IN)
相馬に翻弄された高尾に代わって守備の引き締めを期待されたが、試合の入りは不安定。吉田へのファイルは2枚目の警告でもおかしくなかった。
MF
17 奥野耕平 6(HT IN)
バイタルエリアの引き締めを託された。読みの良さを生かしてインターセプトし、得点に繋がるカウンターの起点になった。縦パスも積極的に狙う。
MF
14 福田湧矢 6(59分IN)
3点を追う展開だけに、バランスを考えるよりも仕掛けを意識。積極的なドリブル突破を試みた。決定的な場面はなかったが、チームを勢いづけた。
FW
37 山見大登 5.5(59分IN)
2シャドーの一角で起用されたが、スピードだけの男でないことを証明。パスでパトリックを生かす意識もあったが、吉田には厳しく対応された。
FW
28 ウェリントン・シウバ ―(80分IN)
攻撃の最後のカードとして投入されたが、引いて守る名古屋を相手に持ち味を出せず。中央突破にこだわり、逆に攻撃が停滞した感も。
監督
松波正信 5
分かっていたはずの名古屋のストロングポイントに完敗。試合勘のない三浦の起用も含めて、先発の顔ぶれにも疑問があった。後半のテコ入れは奏功したが、前半の3失点は痛すぎた。
名古屋――“ジーニアス”柿谷が守備で奮闘!
【チーム採点・寸評】
名古屋 6.5
勝たなければACL出場権への望みが薄くなる一戦で、積極性を発揮。狙い通りの形で前半だけで3得点を挙げ、後半はやや押し込まれたが、勝利への執念を見せた。
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 ランゲラック 6
失点は不運もあり責められない。足もとに入ったボールを狙われていた。オフサイドの判定になった幻の2失点目のシーンでは、直前の山見のシュートを好セーブ。
DF
4 中谷進之介 5.5
前半は相手の単調な攻めに苦しむことはなかったが、後半はばたつき、失点時も宇佐美の横パスを許す。キックミスが目立ったのは反省点だ。
20 キム・ミンテ 6
ボールを持つとやや危なっかしい場面が見られ、凡ミスも。後半にも判断の悪い場面があった。ただパトリックに対してハードに守り、前半は自由にさせなかった。
6 宮原和也 5.5
守備意識が高く、サイドを不用意に突かれることはなかったが、もう少し前田と絡んでも良かった。少ない攻撃参加時に精度も欲しい。
23 吉田 豊 6
細かいミスはあったものの、対人の強さを含めてさすがの出来だった。攻撃でも3点目に繋がるダイレクトパスを披露。相手の切り札、山見にも厳しく対応した。
M
F 14 木本恭生 6(77分OUT)
後半、押し込まれた時間帯にやや疲れて途中交代。稲垣との連携は良く、機を見て高い位置までプレスに出た。気の利いた潰しも見せていた。
15 稲垣 祥 6
序盤、好ミドルでチームに勢いもたらす。積極的に周囲を動かし守備を引き締めたが、失点は自身のパスミスがきっかけに。ただ、タフには戦った。
8 柿谷曜一朗 7
「ジーニアス」と呼ばれた男は上手さだけでなく、泥臭い守備でも魅せた。ゴールも見事だったが、チームのために戦う姿勢を見せ、守備でも奮闘した。
名古屋――MOMは2アシストの…
MF
MAN OF THE MATCH
11 相馬勇紀 7
G大阪に対しての相性の良さは健在。三浦を振り切ってお膳立てした先制点と、3点目のアシストは見事だった。キレは抜群で、チームが狙いとした崩しをプレーで体現した。
25 前田直輝 6.5(82分OUT)
右サイドで水を得た魚のように攻守に躍動した。守備でも迫力を見せていたが、カウンターから切り込み、柿谷のゴールを演出。マテウスとは異なる持ち味を見せた。
FW
40 シュヴィルツォク 7(89分OUT)
あっさりと蹴り込んでいるように見えるが、2点のいずれも技術の高さが際立った。前線でも起点になり、終始相手の脅威に。気の利いたプレーも多かった。
交代出場
MF
5 長澤和輝 ―(77分IN)
中盤の守備強度が落ちていた時間帯にテコ入れで投入。派手さはなかったが、要所を抑えるあたりは期待通りだった。苦しい時間帯に周囲を楽にするプレーも。
DF
17 森下龍矢 ―(82分IN)
逃げ切りの時間帯に5バックの一角として投入された。アクセントになっていた福田に自由を与えず、守備を引き締め、好機では前に絡む意欲も。
FW
9 山崎凌吾 ―(89分IN)
終了間際の投入で、もはや攻撃に色気を出す展開ではなかったが、身体の強さを生かして、前線で起点になることも意識。与えられた役割に集中した。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6.5
3点のリードはあったものの、劣勢だった後半はもう少し早く動いても良かった。ただ選択した顔ぶれがズバリ機能。サイドを崩しての3得点も狙い通りだった。