GK谷晃生 川口への道 W杯最終予選メンバーに初選出 東京五輪世代は6人メンバー入り
日本サッカー協会(JFA)は26日、22年W杯カタール大会アジア最終予選(9月2日オマーン戦、同7日中国戦)に臨む日本代表メンバー24人を発表した。東京五輪世代は6人が選出され、GK谷晃生(20=湘南)が唯一の初選出。一気に定位置を奪い取り、1996年のアトランタ五輪で“神セーブ”を連発して日本代表の守護神に上り詰めた川口能活氏(46)と同じ道を歩みだす。
東京五輪メンバーでは唯一の初選出。それでも、お客さんになるつもりはない。「競争に入っていく気持ちを持ってやっていく。普段やっていることを出せれば、アピールにつながる。試合に出るのが目標です」。3大会連続W杯でゴールマウスを守った川島と現守護神の権田がいる中、谷は1つしかないGKのポジションを奪いにいく決意を示した。
五輪での活躍は記憶に新しい。PK戦に突入した準々決勝ニュージーランド戦ではコースを読み切って1本セーブ。大会を通じて飛び出しやハイボールの処理でも安定感を見せた。元々アンダー世代から将来を嘱望されていた逸材だが、大舞台の中で才能が開花。その成長過程は東京五輪GKコーチの川口能活氏と奇妙に重なる。
川口氏は96年7月22日のアトランタ五輪1次リーグ・ブラジル戦で好セーブを連発し、「マイマミの奇跡」を演出。8月にはA代表のウルグアイ戦に初選出された。そして97年2月13日のキングス杯スウェーデン戦でデビュー、そのままレギュラーに定着してW杯初出場に貢献した。今回の選出後は連絡を取っていないというが、谷は五輪合宿中に言われた「目指すはA代表だぞ」という言葉を胸に刻んでいる。“師匠”と同じキャリアを、確かに見据えてきた。
オマーン戦に出場すれば20歳284日で、日本人GK最年少での最終予選出場。そして舞台はくしくも保有権を持つG大阪の本拠地・パナソニックスタジアム吹田だ。「中学時代から育った場所。感慨深い」。来年3月まで過酷な戦いが待ち受ける22年W杯カタール大会への道。若い力で森保ジャパンを押し上げていく。
◇谷 晃生(たに・こうせい)2000年(平12)11月22日生まれ、大阪府出身の20歳。G大阪の下部組織から18年にトップチームへ昇格。湘南へ移籍した20年にリーグ戦25試合に出場し守護神に定着。今季はここまでリーグ戦23試合出場。1メートル90、84キロ。利き足は右。