“真夏の15連戦”G大阪小野裕二今季初先発初ゴール「もっともっと質を」
“真夏の15連戦”で消耗するチームを、頼もしい28歳の実力者が支えている。
8月25日、J1第26節(ニッパツ)。ガンバ大阪のMF小野裕二(28)は横浜FC戦で今季初先発を果たした。前半に退場者を出し、数的不利な状況で1点ビハインド。それでも後半3分の好機を逃さなかった。
左CKを起点に、ゴール前で高々とボールが上がった。「他の選手が反応できていなかった」。相手GKも直前の競り合いに体を投げ出し、守備陣形は整っていなかった。狙い澄ましたヘディングシュートは、ゴール左隅に吸い込まれた。
「いち早く反応して、枠にしっかりと入れられて良かったなと思います」
結果的に1-3で敗れたが、勝ち点がちらついた。
20年9月の練習中、右膝前十字靱帯(じんたい)損傷に見舞われた。鳥栖から加入し、G大阪1年目の悪夢だった。復帰は21年6月の天皇杯2回戦。J1のピッチには、8月6日の横浜戦で戻ることができた。
チームは3月に新型コロナウイルスのクラスターが発生し、1週間に2試合をこなす15連戦が真夏に組み込まれた。故障者や疲労を考慮して、メンバーを入れ替えながら戦う台所事情。この日の横浜FC戦も、前節から先発7人が替わった。かつてベルギーでもプレーしてきた小野は、上位進出に向け「11人で同じ絵を描かないといけない」と必要な要素を分析した。少し踏み込み、こうも言った。
「チームでやることは基本的に変わらないと思います。『ここにこの選手が入ったから、生かそう』とか『相手がこういう特徴だから、こうしよう』とか。もっともっとその質を、話し合いを含めてやって(高めて)いかないといけない」
中2日で敵地C大阪戦(28日)を迎え、さらに同じ相手とルヴァン杯準々決勝2試合を戦う。特別な「大阪ダービー」の3試合が“真夏の15連戦”の締めくくりとなる。小野に懸かる、期待は大きい。