劇的勝利にあふれた涙…最後に決めたFW宇佐美「本当に素晴らしい瞬間だった」
[7.27 J1第3節延期分 G大阪2-1大分 パナスタ]
タイムアップを告げるホイッスルが鳴り響いた直後、逆転ゴールを決めたガンバ大阪エースの目には涙が光った。
1-1で迎えた後半アディショナルタイム4分、FWパトリックが競り合ったボールに反応したのは途中出場のFW宇佐美貴史だった。「競り勝ってくれると信じていた」。迷わずペナルティエリア内に駆け込むと、ハーフバウンドのボールに完璧なミートで右足一閃。試合を決める逆転ゴールを突き刺した。
「いいところにこぼしてくれて、あとはプレッシャーもあったけど、しっかりいいコースに蹴り込むことができたのでよかった」。そう振り返ったエースの活躍により、G大阪は3試合ぶりの白星。これで勝ち点を20に乗せ、3試合未消化ながらも降格圏脱出に成功した。
6月25日にウズベキスタンでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が開幕して以降、約1か月で10試合をこなした。またシーズン序盤の新型コロナウイルスの感染拡大により、未消化試合が多数積み重なっており、9月11日まで週2試合ペースの壮絶なスケジュールが予定されている。
この日でウズベキスタン帰国後のバブル規制が終了。選手たちはようやく家族の元へと帰り、日常生活を取り戻すことができる。そうした中で迎えた今季初勝利。宇佐美は「僕らもストレス、フラストレーション溜まっていたし、サポーターも同じ気持ちだったと思う。一つ勝って、全員で喜びを共有できたということは本当に素晴らしい瞬間だった」と目を赤くしながら語った。
宇佐美と同様、スタンドで戦況を見守っていたサポーターの目にも涙が光った。宇佐美は試合後のフラッシュインタビューで「今季苦しんでいるし、その中でもなんとか光を見出すために自分たちは精一杯頑張っている。サポートも毎試合してくださっているので、引き続き応援していただいて、チーム全員で恩を返していく中で勝ちを少しでも多くプレゼントできれば」と意気込みを語った。