「改善が見られなかった」ため解任を決断し、後任は「日本人を前提に検討」。G大阪社長が監督交代を説明
現状は「次期監督の候補を挙げて情報を集めているところ」
J1のガンバ大阪は5月14日、13日付けで宮本恒靖監督との契約を解除し、松波正信強化アカデミー部長が当面の間、監督を兼務すると発表した。監督交代に際してクラブはオンライン会見を実施。小野忠史代表取締役社長と和田昌裕取締役強化アカデミー担当兼普及部長が登壇した。
監督交代を決断した経緯について小野社長は「得点力という課題で改善が見られなかったので、10試合消化時点ですがこのタイミングでの判断しました」と説明。「期待感を持ちながら宮本監督とも話をしながらやっていたんですけど、結果的に改善が見られなかった」と述べる。また決断に際しては「選手にはヒアリングしていません」と同席した和田氏が口にした。
そして小野社長は昨日、宮本前監督にクラブハウスで話したと言う。 「昨日の夕方にクラブハウスで私からお話しました。内容に関しては結果ですね。プロ集団である以上、早いか遅いかは別にして、結果が出ていないと。攻撃面の改善についても話しました。ただ、冒頭では18年からの御礼も直接伝えています。
彼からはコメントを求めまして、成績は自覚しているところがあった。納得した形で、変な雰囲気にもならず。ガンバのOBとして引き続き、将来的に2度目の監督の可能性もありますので、しっかり違う形で付き合おうと、握手して別れました」
後任監督ついては、小野社長は「後任監督候補の調査を並行していたわけではありません。昨日に(監督交代の)最終的な判断をして、そこから急遽、後任監督を探す形になっています」と説明。そのため、「強化部長として常にチームに帯同しており、一番チーム状況を分かっている松波が適任」と判断し、当面の間は松波監督に指揮を託す。現状は「次期監督の候補を挙げて情報を集めているところ」で、「次期監督の状況と、その時点のチーム状況を組み合わた判断になるが、基本的には新しく監督を迎える」予定のようだ。
気になる新監督の選定基準について小野社長は、「目標としては新しい監督でACL(6月末に開催予定)に臨みたい」としていて、「コロナ禍のなかで海外からスピーディに招聘するのは非常に難しい。基本的には日本人監督を前提に検討している」と明かした。また同席した和田氏も「経験がある監督でないといけない。今後はACLも戦っていくわけですから、理想はACLも経験している監督。選手たちを同じ方向に向かせて、方針を示してチーム作りができる監督を求めています」とコメントした。
なにはともあれ、後任が決まるまでの間、次戦からはひとまず松波体制となる。松波監督に対して、小野社長は「とにかく違うチャレンジをしてほしい」と述べたようで、和田氏もチーム状況の改善に向けて具体的な話をしたことを明かした。
「攻撃面で得点を取れていない事実はありますけど、選手たちのプレーを見ていると消極的で、ボールを失ってはいけない、ミスを怖がったプレーが多く見られていました。もっとチャレンジしてもいいのではないかと。そういう部分をもっと勇気を持って出すことによって、攻撃面に活かされる分析をしています。そこは松波さんと話をして、今日から彼がトレーニングに関わってくれています」
宮本前体制で10試合を消化した現在、勝点7で降格圏の18位に沈む。とりわけ、わずか3ゴールと得点力は深刻だ。果たして、監督交代でチーム状況は改善するのか。次戦は5月16日(日)、ホームで浦和と対戦する。