G大阪、大阪ダービー4戦勝ちなし ドローに持ち込むも攻撃は課題山積み
◆明治安田生命J1リーグ第12節 C大阪1―1G大阪(2日・ヤンマー)
G大阪は途中出場したFWパトリックのPKで追いつき、C大阪との“大阪ダービー”に引き分けた。これでダービーは4試合勝ちなし(2分け2敗)。宮本恒靖監督(44)は「今のチームの状況、またダービーというところで勝ち点3を取りたかった。そういう意味ではやはり悔しさはあります。しかしアウェーで選手たちが取り返してくれたところは評価できる」と試合を振り返った。
得点力不足に苦しむ中、この日は開幕戦以来となる4―3―3でスタート。立ち上がりはセンターバック(CB)やアンカーのMF山本がフリーとなり、MF井手口や矢島が前線に絡んでチャンスをつくった。前半25分には、山本がDFラインの裏を取ったFW宇佐美につなぎ、宇佐美が中央へ。これがフリーのMF矢島に渡ったが、シュートは相手GKの好セーブにあった。
しかしC大阪の2トップが両CBへのプレスを強め始めると、プレス回避がスムーズにいかず、苦し紛れのロングボールが増えて流れはC大阪へ。前半終了間際に与えたPKはC大阪FW豊川の失敗に救われたが、後半29分に失点した。しかし同37分、DF昌子のシュートが相手ハンドを誘発。PKキッカーを務めたパトリックは「出る時間が30分でも5分でも1分でも、入ったからには点を取ってやろうという気持ちで準備していた。プレッシャーはかかっていましたが、集中して蹴ることができた」と大仕事にほっとした表情をみせた。
この得点が今季のチーム2点目。今年はボールを保持し、チームとして組織的にボールを運ぶ攻撃をキャンプから目指してきた。しかし新型コロナの集団感染による中断後は、連戦とコンディション不良の中で、現実的な策として、重心を下げた堅守とロングボールに頼る昨季までの攻撃が増加。選手間の意図もかみ合わず、得点力不足に陥った。この試合に向けた9日間の準備期間では、キャンプから取り組んできた攻撃時のポジショニングなどを再確認して臨んだが、狙いが発揮できたシーンは少なかった。
負傷から復帰し、開幕戦以来の先発となった矢島は、チャンスを決めきれなかった自身のプレーを悔やみつつ「チームのやり方を、まだ模索している感じ。理想はあるんですけど、そこになかなかつながらないから点が取れない。いきなりやれとなって、やれるほど甘くないと思う」と話した。意地は見せて勝ち点1は持ち帰ったが、チームの課題が多いことも改めて浮き彫りとなった。