試練のG大阪に垣根越え励ましの声、選手は何思う?

新型コロナウイルスの陽性者を8人出したガンバ大阪が、3月の全6試合の試合中止を決めた。大阪府からクラスター(感染者集団)に認定され、9日までに3試合が中止に決まり、10日に新たに3試合の中止を発表した。チームは現在、約2週間の活動休止に入っている。

今季のG大阪は2月末の開幕1試合、しかもアウェー戦を消化しただけ。3月に入ってクラスターが発生し、選手は最多で6度のPCR検査を受けた。その過度かかる重圧、ストレスは想像に難くない。

現時点で最短4月3日まで試合ができない。練習場、クラブハウスへの立ち入り、家族との外食も禁止された。肉体よりも精神的なダメージが心配される。

小野社長は10日に、全選手とスタッフに「とにかく前を向いてスタートしよう。サポーターに元気な姿を見せるしかない」と激励のメールを送ったという。大半のクラブ職員も選手と会っておらず「今、何を思い、どう過ごしているのか分からない」と思いやる。

ただ、SNS上などにはG大阪、そして他クラブのサポーターから多くの励ましがあった。

「今こそサポートする時。クラブ、地元、サポーター、スポンサー、一丸となって難局を乗り越えよう」

「ここはJリーグファミリーとして、対戦相手もできる限りの協力が必要」

中止となった対戦クラブとすれば、代替日の設定に複雑な思いもあるだろうが、総じて温かい意見に、選手も勇気づけられているはずだ。

クラスターの認定を受けて4日目となる7日、クラブは早期に練習を再開させ、翌8日に新たな感染者を出した。それが約2週間の活動休止の決定打になった。10日の記者会見で小野社長が認識の甘さを謝罪した。当然、非はある一方、クラブが置かれた厳しい経営にも耳を傾ける必要がる。

今季はホームで1試合も開催できておらず、入場料収入を満足に得られず、年間で約24億円(19年度)という選手らの人件費が毎月出ていく。コロナの検査代など感染対策に投じる新たなお金も必要だ。試合開催を死守することが、経営の生命線になる。そのためにも「今回の件が、いい教訓になれば」(クラブ幹部)と願う。

コロナ禍が始まった今から1年前、宮本監督は言っていた。「こういう時だからこそ、スポーツが与えられる感動がある。G大阪が勝って、優勝して、喜びの涙を流してもらう。そんな状況を作りたい」。6試合中止(順延)のハンディを背負ったG大阪は、どんな反撃を見せてくれるのだろうか。

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