6試合中止のG大阪「みなし開催」なら降格の危機も
新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したG大阪は10日、新たに3試合のJ1リーグ戦中止を発表した。8日までに計8人(選手6人、スタッフ2人)の陽性者を出し、2週間程度のチーム活動休止が決定。13日札幌、17日仙台、21日横浜戦が加わり、3月の全6試合が中止となった。今季は代替日が調整できなければ「みなし開催」となり、最悪は6戦全敗扱いになる。
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G大阪にとっては苦渋の決断だった。計8人の陽性者を出すコロナ禍での6試合連続中止。代替日が設定できない場合、今季導入の「みなし開催」で0-3の敗戦扱いとなる。最悪は6戦全敗、失点18が成績に加わる。優勝候補に一転、J2降格の悪夢さえよぎる。
この日、オンライン会見した小野忠史社長(59)は「当然、その(みなし開催の)覚悟もして今回の判断に至った。腹をくくった形での判断」と説明した。
4月から始まるACLを勝ち進めば、さらに強行軍になる。今回の6試合を組み込むには、最短で日本代表ウイークの今月末に実施し、東京五輪期間の7、8月にも行う可能性がある。小野社長は「極端な話、中1日でも組めるのであれば挑戦したい。無理してでもやるという覚悟」という。
2日から3日間で6人の陽性者を出した。最初に3日名古屋戦が中止となり、大阪府からクラスター認定された4日、吹田保健所からは2週間程度の活動休止を提案されたという。ただ、5日のPCR検査で他は全員が陰性となり、濃厚接触者なしの見解も受けた。
クラブはJリーグと協議し、10日大分戦の開催を目指し、7日から全体練習を再開。その翌8日に新たに2人の陽性者を出し、事態は深刻化した。「(練習再開の)時期が早いかもしれないが、判断をさせてもらったのは事実です」と小野社長。
保健所からは「チーム内に感染の可能性を有する者が多くいることが見込まれる」と指摘され、9日から再び活動休止に入った。名門G大阪とはいえ厳しい経営が続く中、さらなる難局を迎えた。
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◆みなし開催 Jリーグは今季公式戦が中止となった場合、リーグ戦、ルヴァン杯は代替日が確保できなければ、当該試合は開催したものとみなす「みなし開催」に。両チームの不可抗力による中止(荒天など)は「0-0の引き分け」。一方のチームの責任で中止になれば、そのチームが「0-3で敗戦」。代替日はチェアマンが決め、中立地での開催も可能。