【ガンバ大阪】2021年の予想布陣&最新情勢「そろった“攻撃の駒”」をどう生かすか
【2020年シーズンの成績】 2位 (勝ち点65) 20勝5分9敗 46得点42失点 得失点差4
■チーム内得点ランキング
■ 1位=パトリック(9得点)、2位=アデミウソン、宇佐美貴史、渡邉千真(6得点)、5位=倉田秋、井手口陽介(4得点)
■チーム内最長時間出場者
■ 1位=東口順昭(3060分)、2位=尾瑠(2499分)、3位=キム・ヨングォン(2478分)、4位=倉田秋(2335分)、5位=井手口陽介(2279分)、6位=宇佐美貴史(2127分)、7位=小野瀬康介(2074分)、8位=藤春廣輝(1964分)、9位=山本悠樹(1750分)、10位=福田湧矢(1737分)、11位=三浦弦太(1721分)、12位=パトリック(1678分)、13位=矢島慎也(1566分)、14位=昌子源(1514分)、15位=渡邉千真(1187分)
昨季、川崎に次ぐ2位という好順位でフィニッシュしたガンバ大阪。宮本恒靖体制になって最高の結果であることはもちろん、クラブにとっても2015年に年間勝ち点で2位になって以来の好順位となった。
結果だけでなく、チームの若返りにも着手。クラブのレジェンドである遠藤保仁を他チームにレンタルとはいえ移籍させてしまうことにはなったものの、そのボランチのポジションには山本悠樹が台頭。23歳の若武者が、躍進するチームにおいて攻守両面で秀逸なプレーを見せてさらなる期待を抱かせた。
また、福田湧矢もサイドバックやサイドハーフで出場を重ね、その積極的なプレーから出場時間をチーム10位となる1737分まで伸ばした。さらに、唐山翔自も17歳で鮮烈デビューを果たすなど、結果と成長を一挙に手に入れたシーズンとなった。
ガンバは昨季序盤、3バックと4バックを併用して戦っていたが、徐々に4バックで固定するようになった。センターバックとして高レベルな選手がそろったために、3バックであればその守備力を前面に押し出すことに成功。4バックでも安定感は同様で、川崎フロンターレに5失点、ベガルタ仙台に4失点したものの、大崩れすることはほぼなかった。
ただし、攻撃が課題だった。昨季の年間得点数はわずかに46。優勝した川崎の半分強で、1試合平均にすると「1.35」。複数得点差で勝利した数はリーグ2位のチームとしては少なく、失点の少なさによって勝ち点を重ねていった1年だった。
FWは、パトリック(9得点)、アデミウソン、宇佐美貴史、渡邉千真(3人はいずれも6得点)の4人をローテーションして起用し、試合の途中で相手の目線を変えつつ選手の負担を軽減。2ケタ得点した選手はいなかったものの、4人で27得点を奪った。
その4人のストライカーのうち、2021年はアデミウソンと渡邉を放出して挑むことになる。ただし、3人の実力者を補強した。最大の目玉は、J2松本から完全移籍で獲得したFWレアンドロ・ペレイラ。昨季プレーした広島では15得点を叩き出し、得点ランク3位に名を連ねた。嗅覚だけでなく、右足と左足で6点ずつ、ヘディングで3点とバランスの良さも特徴だ。
昨季は鳥栖でプレーしたチアゴ・アウベスも新たに加入したストライカーで、昨シーズンは3ゴールしか奪えなかったが、そのプレーには期待させるものが多く、大阪の地で覚醒を狙うことになる。
また、生え抜きのFW一美和成も、2018年以来となるガンバでのプレーとなる。19年にJ2京都で36試合17得点、20年は横浜FCで31試合4得点と経験を積んできた。今季はガンバで、近い将来の“新エース”を目指して切磋琢磨するはずだ。
昨季のガンバは、攻撃的な中盤のポジションを倉田秋と小野瀬康介に頼りっきりとなってしまっていた。そこに、中盤ならどこでもこなすことができる韓国代表MFチュ・セジョンを獲得。また、先述したチアゴ・アウベスはサイドアタッカーとしてもプレーでき、さらに、フルミネンセの右アタッカーであるウェリントン・シウバとも合意間近とされる。
優勝に届かなかった昨シーズンには物足りなかった攻撃の迫力。その部分に、国内外からの積極的な補強で解決のアプローチを図ろうとする姿勢が見える。宮本監督としても選択肢は増えるはずで、チームとしての攻撃が構築ができるようになれば、さらに怖いチームとなるだろう。
リーグ戦と天皇杯で川崎に苦杯をなめさせられた昨季から一転し、2021年はどのようなシーズンとなるのか。選手は揃っただけに、あとは宮本監督の指揮次第となる。2シーズン連続で好結果を残すことができるかは未知数の部分が多いが、サポーターは開幕までワクワクして過ごすことができそうだ。