Jクラブも獲得可能? 現在フリーの名手5人(3)。Jリーグ経験のある実績十分なブラジル人選手たち
明治安田生命Jリーグは2020年シーズンが終わり、来月下旬の新シーズン開幕を前につかの間のオフを過ごしている。年明けとともに欧州各リーグの移籍市場が開く一方で、Jリーグの各クラブも新加入選手の獲得を着々と進めている。今回フットボールチャンネル編集部では、Jリーグのクラブも獲得可能な所属クラブが決まっていない選手5人をピックアップした(1月3日時点でフリーの選手が対象、市場価格は『Transfermarkt』を参照)。
フロンターレ優勝の立役者
MF:エドゥアルド・ネット(ブラジル)
生年月日:1988年10月24日(32歳)
市場価値:40万ユーロ(約4800万円)
最終所属:名古屋グランパス(日本)
2020リーグ戦成績:なし
川崎フロンターレで2017年にJ1優勝を経験した実績を持つセントラルMFで、翌年6月に名古屋グランパスへ移籍。しかし、2019年は負傷の影響もあってリーグ戦16試合出場と低調だった。すると翌シーズンに向けた契約交渉は難航し、2020年2月に双方合意のもとで名古屋との契約解除が発表された。
2020年は所属クラブのない状態が続き、現在に至っても新天地は見つかっていない。負傷歴があり今年で33歳という年齢もネックではあるが、左足から繰り出す高精度のパスとゲームメイク力はJリーグファンなら誰もが知るところ。フロンターレで躍動していた頃の輝きを取り戻せれば、大きな戦力になるのは間違いない。
柏のカップ戦優勝に貢献したストライカー
FW:クレオ(ブラジル)
生年月日:1985年8月9日(35歳)
市場価値:30万ユーロ(約3600万円)
最終所属:青島黄海FC(中国)
2020リーグ戦成績:5試合出場/0得点0アシスト
広州恒大で中国超級リーグ(1部)2連覇の実績を引っ提げ、2013年に柏レイソルへ期限付き移籍。Jリーグでのプレーは1年のみだったが、J1リーグ戦では7得点を挙げ、ヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)優勝に貢献した。
その後は母国ブラジルのアトレチコ・パラナエンセとゴイアスを経て、ポルトガル2部でもプレーし、2018年から中国に復帰。2019年には2部リーグで14得点を挙げ、青島黄海FCにとってクラブ史上初となる1部リーグ昇格に大きく貢献した。8年ぶりとなった中国超級リーグでは結果を残せず、2020年9月に青島黄海FCを退団。以降はフリーとなっている。大ベテランと呼べる年齢になったが、一昨年まで中国で2年連続二桁得点を記録しており、ゴールスコアラーとして信頼できる実力を残していそうだ。
驚異の成り上がりセンターバック
DF:ファビオ(ブラジル)
生年月日:1989年2月28日(31歳)
市場価値:47万5000ユーロ(約5700万円)
最終所属:ジュビロ磐田(日本)
2020リーグ戦成績:なし
関東リーグ時代のSC相模原に加入し、J1の横浜F・マリノスへとステップアップして一時はレギュラーも務めた実績を持つブラジル人センターバックだ。2018年限りでガンバ大阪を退団した後、半年の無所属期間を挟んでJ1残留争いに巻き込まれていたジュビロ磐田に加入した。
しかし、ジュビロをJ2降格の危機から救うことはできず、2019シーズン終了とともに退団。その後は再び無所属となり、約1年が経とうとしている。マリノスとガンバで主軸を担った実力と実績を考えれば次の所属先が見つからないのが不思議なくらいだが、ブラジルでの実績がほぼないため母国での知名度が一時流低いのも原因かもしれない。2020年はプロの公式戦で一度もプレーしていないとはいえ、年齢面などを考えてもまだまだ戦えそうだが…。
不祥事で契約解除となったJ歴6年のFW
FW:アデミウソン(ブラジル)
生年月日:1994年1月9日(26歳)
市場価値:110万ユーロ(約1億3200万円)
最終所属:ガンバ大阪(日本)
2020リーグ戦成績:21試合出場/6得点4アシスト
ガンバ大阪在籍5年目のシーズンを過ごしていたが、昨年10月末に交通事故を起こした際、敷帯運転とひき逃げの報告義務違反が判明。すぐにクラブから謹慎処分が発表され、12月14日に道路交通法違反と自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで書類送検された。
そして、12月28日付でガンバと契約解除に。Jリーグで長く活躍してきた元U-23ブラジル代表アタッカーは現在も無所属となっている。相変わらず素行面には不安が残るものの、謹慎となるまではチーム内得点王で、Jリーグでは通算150試合出場も達成するなど日本サッカーを知り尽くすことは強みか。サッカー選手としての実力に疑いはない。
Jリーグの歴史に名を残す重戦車
FW:フッキ(元ブラジル代表)
生年月日:1986年7月25日(34歳)
市場価値:250万ユーロ(約3億円)
最終所属:上海上港(中国)
2020リーグ戦成績:10試合出場/5得点0アシスト
もともと昨年末で上海上港との契約が満了を迎えるタイミングだったが、後味の悪い退団となった。昨年11月にカタールで行われたACLのグループステージ第3戦、横浜F・マリノス戦にキャプテンマークを巻いて先発していたフッキは、68分に途中交代を告げられた。その際、怒りをあらわにしてベンチではなくロッカールームへと消えていったことでヴィトール・ペレイラ監督との対立が鮮明に。以降はベンチ入りすることもなくなり、12月8日に退団が発表された。
一時はエースのラウール・ヒメネスが長期離脱を強いられたウォルバーハンプトンへ移籍することも噂されたが、イギリスのEU離脱にともなって一層厳しくなった外国籍選手の労働ビザ取得問題が障害に。ブラジル代表から4年半近く遠ざかり、欧州4大リーグでの実績もないフッキにはハードルが高かったようだ。
2005年から3年半にわたって北海道コンサドーレ札幌や東京ヴェルディなどに所属し、Jリーグでプレー経験のある重戦車FWはどこへ向かうのだろうか。5年過ごした中国を後にし、去就に注目が集まっている。