【韓国メディアの視点】ACL準々決勝・第2戦の予想は真っ二つ。宇佐美の出場停止は、「むしろ全北に不利に働く可能性もある」 SOCCER DIGEST Web 9月15日(火)19時39分配信

第1戦の「ガンバの攻撃は全体的にぎこちなかった」。

 9月16日にACL準々決勝の第2戦を迎える全北現代とG大阪。全北ホームで行なわれた第1戦は0-0のドローに終わったが、韓国記者たちはどう見たの か。大手ポータルサイトでコラムを連載するサッカージャーナリストのソ・ホジョン記者は「全北にとっては惜しい試合だった」と振り返る。

「全北が戦術的に主導した試合だった。SBが本職のチェ・チョルスンを守備的MFに起用して宇佐美を徹底マークさせたチェ・ガンヒ監督のサプライズ采配が見事に的中した。決定力を欠き、ゴールを挙げることができなかったことだけが誤算だった。

一方のガンバは後半に1度だけあった宇佐美のシュートを除けば、これといった見せ場はなかった。長谷川監督も金を先発起用したり、丹羽を右に動かして全北のレオナルド対策を講じたが、それらが効果的だったとは言えなかった。それでもガンバとすれば内容で劣勢でも引き分けにできたのだから、まずまずの成功だったのでは」

スポーツ新聞『イルガン・スポーツ』のソン・ジフン記者も、第1戦のポイントをチェ・ガンヒ監督のサプライズ采配にあったと見ている。

「チェ・チョルスンが宇佐美をマンマークした作戦は成功だった。攻撃の要となる宇佐美に自由を与えなかったことで、ガンバの攻撃は全体的にぎこちなかった。ちなみに全北はガンバ戦以降、Kリーグでも相手チームに勝れたアタッカーがいる場合にはチェ・チョルスンをマーカーとしてぶつけるようになった。ホームで引き分けたのは残念だったが、チームにひとつのオプションが出来たという点では全北にとっても収穫はあったと思う」

ならば、そんなふたりの記者の目にG大阪はどのように映ったのだろうか。

「リンスも宇佐美ほどの脅威にはなりそうもない」(ソ・ホジョン記者)。

「チームとして体系的に動く良いチームだと思うが、プレー全体がやや単調という印象も受けた。宇佐美への依存度が高いせいなのか、宇佐美が封鎖されるとほかのパスルートを開拓できずにいるようにも映った。その一方で、最前線のパトリックなどは周囲のサポートがなくても自らの個の力で状況を打開できる優れた アタッカーであるとも感じた」(ソン・ジフン記者)

「全北は2列目から積極的に仕掛け、多くの動きと強いプレッシングでガンバにプレッシャーを与えたが、それに対して遠藤を中心としたガンバの中盤はほとんど存在感を発揮できなかった。おのずとパトリック、宇佐美が苦戦を強いられるようになった。(城南FCやFCソウルとの対戦時に比べとる)ガンバの中盤で の機動力が以前よりも落ちたという印象を受けた」(ソ・ホジョン記者)

くしくも、ふたりの記者の言葉からは「宇佐美」の名が頻繁に登場する形となったが、第2戦でも「宇佐美」がひとつのキーワードになるのではないかと、ふたりは語る。ただ、結果予想では意見が分かれているところが面白い。

「ガンバはナビスコカップの準々決勝でPK戦の末に勝利を収め、週末の鹿島戦でもアウェーで勝利を飾ってチーム・コンディションが上向きだと思うが、宇佐美が警告累積で全北戦に出場できないのは痛いはず。パトリックは第1戦でキム・ヒョンイルのタフな守備に苦戦していたし、リンスも宇佐美ほどの脅威にはなりそうもない。

全北は大阪に行く前の週末、FCソウル相手に3得点を挙げて攻撃陣が自信を深めている。イ・グノ、ルイスも第1戦とは違う姿を見せてくれるだろう。かつ ての古巣サポーターたちの前でイ・グノがどんな活躍を見せるか注目したい。試合は全北が勝つと予想する」(ソ・ホジョン記者)

「1-0でガンバが勝つのではないか」(ソン・ジフン記者)。

「私はガンバが有利だと見る。第1戦ではガンバがアウェーで厳しい戦いを強いられたが、第2戦はホームで戦える。1-0でガンバが勝つのではないか。というのも、第2戦でガンバは宇佐美を起用できないが、それがむしろ全北に不利に働く可能性もある。宇佐美の役割を誰が担うのかという情報が全北にはまったくないからだ。

また、ここ最近の全北はリーグ戦で勝利こそ挙げているものの、試合内容はさほど良くない。先週はソウルに3-0で勝利したが、ソウルも最近、調子を落としているチームだという事実を加味しなければならない。全北にとってはかなり厳しい戦いになるのではないか」(ソン・ジフン記者)

韓国では「猛攻復活の全北vs核心失ったG大阪」(ネットメディア『ノーカットニュース』)とも報じられているKリーグとJリーグの王者対決。果たして、最後に笑うのはどちらか――。

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