【G大阪】エース宇佐美に復調の気配。2ゴールに秘められた、確かな「狙い」と「修正力」 SOCCER DIGEST Web 9月13日(日)7時32分配信

DFの股を抜いた1点目は、まさに「狙い通り」。

 アウェーのカシマスタジアムに乗り込んだ第2ステージ・10節。G大阪の宇佐美は、「個の力で決められたゴールなので、自分らしくて良かった」と自賛する2ゴールで、リーグ6連勝中だった鹿島に土を付けた。

1点目は、中央突破からのドリブルシュート。2点目はカウンターで抜け出し、パトリックのパスを受けて沈めたものだ。この2ゴールには、いずれも明確な狙いがあったと宇佐美は言う。

「1点目は、(相手DFの)股しか狙っていませんでした。ああいう状態でシュートモーションに入ったら絶対に股が空くと思ったので、狙い通りに行ったかなと思います」

ハーフライン付近でボールを受けた宇佐美は、DF西のマークを振り切り、パトリックへ縦パスを入れる。その折り返しを受けてドリブルでエリア付近まで攻め上がると、シュートブロックに入ってきたDF青木の股をキレイに抜いて、豪快なミドルを突き刺した。

相手DFの対応を先読みして放ったミドルは、まさに「狙い通り」。ワンチャンスをモノにする決定力と、卓越したアイデアが結実した鮮やかなゴールだった。

充実の背番号39は、再びゴール量産体制へ。

 2点目は、本人が「少しラッキーだった」と言うとおり、DFに当たってコースが変わり、GKの逆を突いたものだ。とはいえ、このゴールに至る過程には、宇佐美の技術と修正力の高さが凝縮されていた。

パトリックがドリブルで持ち上がるのを横目に、猛然と前線に駆け上がった宇佐美は、当初「ワンタッチで打ちこむようなイメージで走っていた」という。

しかし、パトリックからのパスが「少しズレた」ために、そのままシュートを打つのは難しいと判断したのだろう。一度スピードを落として体勢を整え、そこ から巧みにステップを踏み変えてDFを翻弄。「上手く修正できで、そこからまた仕掛け直した」とゴールライン付近まで持ち込み、角度のないところから シュートを打ち込んだのだ。

この一連のプレーを映像で振り返れば分かるが、宇佐美はパトリックへのクロスを上げた節もある。それがゴール方向へ転がったのは「少しラッキーだった」とはいえ、仮に相手DFの足に当たっていなかったら、ニアへ飛び込んだパトリックへの絶好のアシストになったはずだ。

第2ステージ4節の神戸戦以降、宇佐美はこの試合までリーグ戦4試合連続でノーゴールだった。本人は「出そうな予感というか、ギリギリのところまでは行っていた」と言うが、少なからず責任を感じていたはずだ。

この鹿島戦の2ゴールで肩の力が抜ければ――。「すごく手応えは感じている」と充実の表情を浮かべた背番号39が、再びゴール量産体制に入るかもしれない。

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