【J1採点&寸評】鹿島×G大阪|G大阪に逃げ切られ、鹿島の連勝は6でストップ SOCCER DIGEST Web 9月12日(土)22時30分配信

鈴木のデビュー弾が炸裂するも、あと一歩及ばず…。

 シュート数17対6が示すとおり、主に鹿島がポゼッションを握って試合を進めた。立ち上がりに右サイドに抜け出した金崎からのクロスで決定機を作るなど、試合の入り方も悪くなかった。

しかし、1トップのパトリックや2列目の3枚が献身的に走り回ったG大阪の守備は固く、前半15分過ぎからは目立ったチャンスが作れないまま時間だけが経過していく。

そして迎えた29分。一瞬の隙を突かれて宇佐美に中央を切り裂かれ、先制点を与えてしまう。さらに、その10分後にはパスミスをパトリックにかっさらわれ、最後は宇佐美に2点目を奪われた。

2点のビハインドを背負った石井監督は、後半に入るとカイオとJデビューの鈴木を送り込んで逆転を狙う。しかし、反撃は鈴木が決めたアディショナルタイムの1点止まりで、1-2で無念のホイッスルを聞いた。

就任以来、初の黒星を喫した石井監督は、「なかなか相手の守備ブロックを攻略できなかった」と攻撃陣の不発を敗因に挙げた。

【チーム採点・寸評】
鹿島 5.5
サイドに展開してから手詰まりになり、ボールを持たされてしまった。インテンシティが増した後半はポジティブな印象を残したが……。

G大阪 6.5
相手の時間が長いなかでも、隙のない守備を披露。鹿島以上の試合巧者ぶりで、宇佐美の2点を守り抜いた。

【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ヶ端準 5.5
DFに当たってコースが変わった不運な形とはいえ、2失点目はニアを閉じておきたかった。他にはそれほど減点要素がない。

DF
22 西 大伍 5.5
試合の流れを考えながら、攻守の比重を変える。攻め込んだ終盤は、もう少し精度の高いクロスが欲しかった。

14 ファン・ソッコ 5.5
アグレッシブな守備でこぼれ球に反応。一発で遠藤に入れ替わられたシーンなど、時折見せる脆さは課題だ。

5 青木 剛 5.5
劣勢は否めなかったが、パトリックに必死で身体をぶつける。守備範囲も広かっただけに、2失点は不本意だろう。

16 山本脩斗 5
背後のケアは及第点だったが、攻めに転じた際の迫力不足を露呈。土居とのコンビも完全に不発に終わった。

MF
4 山村和也 5
序盤こそ出足の鋭い守備を見せたが、12分には試合の流れを変えるようなコントロールミス。以降は沈黙し、終盤になって少し持ち直した。

40 小笠原満男 5
攻守で踏ん張りが利かず、ゲームコントロールはG大阪の遠藤に軍配。不安定なフィードでチャンスを潰してしまった感も。

25 遠藤 康 5
痛恨のパスミスが2失点目につながる。前半はサイドから思うように崩せず、やや中央に寄った後半もインパクトなし。

8 土居聖真 5
相手の素早い寄せに屈し、多くの場面でノッキングを招いていた。ボールを収められず、起点としても不合格。

FW
33 金崎夢生 6
シャープな動き出しは目を見張り、この日最多のシュート5本を放つ。見事なクロスで鈴木の初ゴールをアシスト。

18 赤崎秀平 4.5
チャンスに絡む回数が少なく、シュートもゼロ。持ち前のチェイシングも相手のロングボール攻撃に対して効果が薄かった。

交代出場
MF
7 カイオ 6
キレのある個人技で可能性を感じさせた。十分、相手の脅威になっていただけに、もう少し早めに登場すれば……。

FW
34 鈴木優磨 6.5
クロスに入り込むタイミングが秀逸。カイオのお膳立ては逃したが、金崎のボールに合せてデビュー戦でゴールゲット。

監督
石井正忠 5.5
後半は上手く立て直したが、ペースを失った時間帯での2失点が悔やまれる。パトリックへの対応には最後まで手を焼いた。

宇佐美が役者の違いを見せつけ、勝負を決める2ゴール。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6.5
ビッグセーブはなくとも、クロスへの対応は秀逸。勇気ある飛び出しでもピンチを未然に摘み取った。

DF
14 米倉恒貴 6
攻撃を自重して、前半は相手の左サイドにほとんど仕事をさせず。カイオに振り回された終盤は疲れが隠せず途中交代。

5 丹羽大輝 6.5
奪うところと待つところの判断が的確だった。最後まで冷静さを保ち、ラインコントロールにも乱れなし。

8 岩下敬輔 6
近い位置でのマーキングから、相手の前で足を出す。空中戦も普段どおりのパフォーマンスで、安定していた。

4 藤春廣輝 6
金崎に注意を払い、身体を張った対応を見せる。押し込むだけだった決定機でシュートを外したのは減点要素。

MF
15 今野泰幸 6.5
試合全体を俯瞰して、いち早く危険な位置を埋める。セカンドボールを上手く拾うなど、フォローのポジショニングが抜群。

7 遠藤保仁 6
攻撃でそれほど良いリズムを作ったとは言い難いが、試合を落ち着かせるパスは機能。終盤はFWとしてプレー。

13 阿部浩之 5.5
守備にパワーを使い、前に出る推進力は控えめ。勝利に貢献はしたが、見せ場らしい見せ場を作れなかった。

39 宇佐美貴史 6.5
序盤は淡白なプレーが目立ったが、素晴らしい個人技で先制点をゲット。結果的に2ゴールを挙げて役者の違いを見せつけた。守備に手を抜かなかった点も評価。

11 倉田 秋 6.5
驚異的な運動量で守備に奔走。際立つ献身性は、前線の起点になり切れなかったマイナスを補って余りある。

FW
29 パトリック 6.5
圧倒的なフィジカルで起点になり、決定機を演出。ゴールこそなかったが、貢献度は宇佐美と同レベルだろう。

交代出場
MF
21 井手口陽介 6
ピッチに立つやいなや、気の利いたパスカットから素早いクサビを打ち込む。CKの流れから惜しいミドルも放った。

FW
9 リンス -
左サイドに入り、西の攻め上がりをケアする。85分には単騎でエリア内に突入し、決定的なラストパスを送った。

DF
6 金 正也 -
守備固め要員としてCBに入る。最終ラインの中央でひとり余るようなポジショニングを取り、相手の攻撃を撥ね返した。

監督
長谷川健太 6.5
局面の激しい守備を徹底させ、カウンターから2得点。ゲームプランどおりに事を運び、鹿島の反撃を1点に抑えた。

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