【J1採点&寸評】G大阪2-1大分|課題の攻撃を活性化させた2トップに最高評価!大分も先制までは狙い通りだったが…
G大阪――課題だった畳み掛ける攻撃を見せて前半で試合を決定づけた
[J1リーグ5節]G大阪2-1大分/7月18日(土)/パナスタ
【チーム採点・寸評】
G大阪 6.5
宮本体制下では過去2戦勝てていなかった大分に先手を取られたものの、狙いのある攻撃でこじ開けた。終盤は押し込まれる時間が続いたが、意思統一が図られており、攻守で持ち味を見せた。
【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
サイドを崩されきったため、渡の飛び込みまではコーチングなどでケア出来ず。課題だったキックも大崩れはなく攻守で安定。終盤、セットプレーなどでも安定感あるプレーを見せた。
DF
4 藤春廣輝 5.5
やはりウイングバックだと窮屈そうで持ち味が消える。持ち上がった際、小野との連係に課題を残したものの、両チーム最長の走行距離はさすが。松本と互いに消し合う展開だった。
5 三浦弦太 6
大分の攻撃がやや単調だったこともあるが、知念に対してのボールには厳しく対応。失点時は釣り出される格好になったものの、自身に責任はない。終盤の劣勢時も身体を張り続けた。
19 キム・ヨングォン 5.5
大分の狙い通りの攻撃に対して、田中に完全に振り切られ、失点につながるクロスを上げさせた。前半はビルドアップでもノッキング気味でテンポを乱したが、後半は攻守で持ち直した。
27 高尾 瑠 5.5
チームの課題だったビルドアップに関して、積極的に持ち上がったり、前方に顔を出すことで攻撃に貢献。惜しいクロスも上げていた。守備も要所を締めていたが、失点時は渡に付ききれなかった。
MF
8 小野瀬康介 6(81分OUT)
前節の初ゴールでやや吹っ切れたのか、本来の積極性が見られた。縦一辺倒でなく、中央にも顔を出し攻撃に彩りを加えた。PKを奪取したものの、まだ持ち味のシュートの上手さは見られていない。
15 井手口陽介 5.5
インサイドハーフだとどうしてもこじんまりしてしまう。攻撃面でプレーの精度を高めるのが課題だが、後半の苦しい時間帯には持ち味の運動量を生かして、適切にケアしていた。
21 矢島慎也 6
派手さはないが、ビルドアップの中継地点として気の利いた捌きをみせた。また守備に関してもサボることなく、大分のボランチも牽制。一時の低調を脱したことでチームも活気付いて来た。
G大阪――攻撃面で修正を施し、見事に奏功した
FW
11 小野裕二 5.5(63分OUT)
気迫溢れるプレーはもちろんだが、技術の高さも秀逸。ただ、藤春との連係に関しては倉田に一日の長があるだけに、早く藤春を攻撃時に生かす術を覚えたいところだ。
33 宇佐美貴史 7(75分OUT)
両チーム最多のシュート5本を放っただけでなく、幅広く動いてボールを触りながら攻撃を牽引した。PKを冷静に蹴ったのも見事だが、献身的なプレーでアデミウソンの得点もお膳立て。
MAN OF THE MATCH
9 アデミウソン 7(63分OUT)
立ち上がりからヘディングシュートで相手を脅かすなど、ゴールへの思いをプレーで表現した。逆転ゴールも難なく決めたかに見えるが、利き足でない左で見事に射抜いた。
交代出場
MF
10 倉田 秋 5.5(63分IN)
小野に先発を譲る格好になっただけに、危機感はあったはず。ただ、エゴに走るのではなく、まず守備面でのタスクをしっかりとこなしながら、チームの勝利に貢献した。
FW
39 渡邊千真 5(63分IN)
2試合連続で得点を決めており、好調を維持しているが勝っている展開だっただけにセーフティなプレーが目立った。終盤、不用意なロストからピンチを招いたのは減点材料だ。
FW
18 パトリック 5.5(75分IN)
渡邊とはコミュニケーションが取れているはずだったが、この日はいいボールが入って来ず、空回り気味。前線で時間を作るわけでもなく、シュートも放てずでは物足りない。
34 福田湧矢 ―(81分IN)
小野瀬がやや痛んだこともあって投入されたが、試合に入りきれず、持ち味であるアグレッシブさが中途半端なままだった。攻勢に出る大分にサイドで押し込まれ、守備に追われ続けた。
監督
宮本恒靖 6.5
昨年のホームの戦いでは専守防衛の戦い方で消化不良に終わったが、堅守の大分をこじ開けるために、攻撃面で修正を施し、見事に奏功した。盤石の戦いではなかったが、勝ちきったことを評価したい
大分――先制点までは理想の展開だったが…
【チーム採点・寸評】
大分 5.5
G大阪の弱みを見事に分析した先制点までは理想の展開だったが、PKで試合の流れを失い、2失点目も個人のイージーミスから。追う展開で、切ったカードはやや貧弱だった。
【大分|採点・寸評】
GK
1 高木 駿 5
2失点を責めるのは酷だ。しかし、後半、DFラインのパス回しから判断を誤り、あわや3失点目を喫しかけたのは減点。前半にも飛び出した後の処理が中途半端でピンチを招いた。
DF
3 三竿雄斗 6
WBでも粘り強く守ったが、後半からはCBにスイッチ。要所をしっかりと締めていた。1点を追いかけた終盤も気迫溢れるプレーを見せ、攻め上がりからシュート。精度だけが悔やまれた。
5 鈴木義宜 5.5
ディフェンスラインの中心で懸命に身体を張るも、逆転ゴールを喫した場面はアデミウソンの一瞬のキレに振り切られた。渡邊とパトリックを投入された後も、大崩れすることなく最終ラインを束ねた
29 岩田智輝 5
個の能力が高い相手の攻撃に対して懸命に体を張り、田中を走らせるシンプルなフィードも見せていたが、痛恨のPK献上。もっとボールを持ち上がれるはずが、疲れか自重した感も。
49 羽田健人 4.5(53分OUT)
前半は危険地帯を察知し、厳しく対応していたが、宇佐美に狙い撃ちされ、不用意なロストが致命的な決勝点を生む要因になった。経験不足といえばそれまでだが、もったいないミスだった。
MF
6 小林裕紀 5(53分OUT)
ビルドアップに絡んだが、こじんまりとしたプレーが目立つ。守備に関しては強度を保つことができず、最終ラインへの負担を軽減するに至らなかった
7 松本 怜 5(79分OUT)
藤春はその速さを警戒していたが、お互いに牽制し合う展開が多かった。守備で大崩れはなかったものの、効果的な攻撃参加はなく、消えている時間帯は長かった。
大分――交代出場のFW藤本一輝は、敗戦の中でチームが得た数少ない収穫か
11 田中達也 6
古巣相手にモチベーションを高めていたのはそのプレーが物語る。見事な突破から完璧なクロスを上げて、先制点に貢献。流れの悪い後半も、気持ちを見せてそのスピードを生かしたが周囲に恵まれず。
40 長谷川雄志 5
いつもの運動量がやや鳴りを潜めた感も。バランスを保とうという意識もあるが、ボールを持った時にもう少し効果的なプレーが出せないとチームの攻めが単調になる。
FW
9 知念 慶 5
効果的にボールを収めるには至らず、三浦から常に厳しい対応を受けていた。シュート1本に終わったが、孤立気味で効果的なサポートを受けられなかったので、ひとりを責めるわけにはいかない。
16 渡 大生 6(63分OUT)
唯一放ったシュートが、貴重な先制点につながった。長い距離を走り、高尾と競るのは狙い通りだったが、シュートは見事。後半は低調な攻撃の中で埋没し、攻守両面で不完全燃焼に。
交代出場
DF
38 高畑奎汰 5.5(53分IN)
追う展開になってから投入されたが、個の力で勝るG大阪に対して試合に入りきれなかった印象。気持ちは見せていたが、やや空回りした感もあり、効果的なプレーは少なかった
MF
4 島川俊郎 5.5(53分IN)
バイタルエリアで左右だけでなく、幅広く運動量を生かした。大きなミスはなく、地味ながら中盤のテコ入れに貢献。もう少し大胆なプレーがあってもいいかもしれない。
FW
33 藤本一輝 6(63分IN)
敗戦の中でチームが得た数少ない収穫か。渡よりも効果的なプレーが多く、攻撃をギアアップ。質の高い動きでG大阪を手こずらせ、シュートも2本放つ積極性もよかった。
MF
47 井上健太 5(79分IN)
自身のストロングポイントを前面に押し出しながら、プレーしたが、肝心のチャンスで判断が悪く、プレーの精度も低かった。課題を多く残した試合だった
監督
片野坂知宏 5.5
宮本監督率いるG大阪には1勝1分けだったが、この日も狙い通りの先制点。しかし、個のミスでみすみす2失点した。後半、あの手この手で攻撃にテコ入れするも、選手層の薄さに泣いた。