難病と闘うG大阪ジュニアユースの中2GK…遠藤ら主力選手が支援、骨髄バンク登録呼びかけ

サッカーJ1リーグ・ガンバ大阪の下部組織に所属する大阪府茨木市の中学2年、多田吾郎君(13)が、難病の「再生不良性貧血」と闘いながらGKとしてプロ選手を目指している。治療には骨髄移植が必要だが、新型コロナウイルスの感染拡大が影響し、骨髄の提供者(ドナー)の登録数は伸び悩む。ガンバ大阪では、トップチームに所属する元日本代表の遠藤保仁選手(40)らも協力し、骨髄バンクへの登録を呼びかけている。

多田君が体調に異変を感じたのは小学6年の冬。体が重たく満足にプレーができず、微熱も続いた。卒業間近の昨年2月、血小板などをうまく作れない再生不良性貧血と診断され、「どうなってしまうのか不安でいっぱいになった」。

2か月の入院を経て、今は自宅療養を続けながら、2週間に1度、輸血のために短期入院している。週3日、支援学校による訪問教育を受け、残りの2日は地元の中学校に通っているが、入団が決まっていたガンバ大阪のジュニアユースの練習には参加できていない。

精神的につらい状況で支えになったのは、ガンバ大阪の元日本代表、東口順昭選手(34)にもらったGK用の手袋と「一緒にサッカーしよう」というメッセージ。急性白血病から復帰したJ2・アルビレックス新潟のDF早川史哉選手(26)からも「つらい時期だけど、自分のペースで治して」と励まされた。

治療には骨髄移植が有効だが、両親や兄とは白血球の型(HLA)が合わず、ドナーからの移植を待つ。

ただ、公益財団法人「日本骨髄バンク」によると、4月の新規登録者数は873人で、3月の3103人から大幅に減少。登録は各地の献血ルームなどで受け付けており、近年は毎月、2000人以上の新規登録があった。緊急事態宣言で多くの人が外出を控えたことなどが影響したとみられる。多田君は「(早くドナーが見つかって)すぐ移植したいけど、ドナーさんがコロナに感染し、体調を悪くしてもいけないので」と複雑な表情を浮かべた。

宣言の解除により、状況が改善することも期待されるが、ガンバ大阪は5日、遠藤選手や東口選手が骨髄バンクへの登録を呼びかける動画をSNSで公開。Jリーグ再開後、スタジアムへの集客が可能となった試合で、啓発パンフレットの配布などを行う予定だ。

多田君は「支援してくれる人のために体をしっかり治したい。プロになって、同じ境遇の人を励ますことができる選手になりたい」と夢を描いている。

リンク元

Share Button