【G大阪】J1開幕・横浜M戦、最多出場かかる遠藤の出場は? 担当記者が読み解く 

G大阪は23日、横浜M戦(日産ス)で開幕戦を迎える。昨季は2戦2敗を喫した王者を相手に、どんな戦いを挑むのか。また出場すれば631試合のJ1最多出場記録に並ぶ元日本代表MF遠藤保仁(40)の、21年連続開幕スタメンはあるのか。G大阪担当の金川誉記者が読み解く。

雨の中で行われた22日の前日練習を終え、取材に応じた宮本恒靖監督(43)は、いつも通りの落ち着いた様子に見えた。横浜Mの印象について聞くと「(ACL2連勝し)調子は上がっていると思いますし、力のある相手だと思います」。普段なら、もう少し細部についてコメントする指揮官が、あまりにも当たり障りのないコメント。そこに独特の緊張感が漂っているように感じられた。

J1開幕より先んじて行われたルヴァン杯開幕戦の16日・柏戦では0―1と敗戦。3枚の中盤はMF井手口をアンカーに置いた形でスタートしたが、ビルドアップに苦慮して前半途中にインサイドハーフのMF矢島とポジションを入れ替え。後半8分には井手口に代えて遠藤を投入してアンカーに配置し、迫力ある攻撃を展開したが、ゴールは割れなかった。横浜M戦では、アンカーの位置に守備を念頭に置けば抜群のボール奪取力を誇る井手口、攻撃の組み立てを優先するなら司令塔・遠藤という選択肢が考えられる。

宮本監督は記録のかかる遠藤の起用について「ヤットは途中から入っても、柏戦のように試合の流れを変えるなどポイントになる選手。総合的に判断したい」と言葉を濁した。当然だ。そこでヒントを探したのが、昨季の対戦。2月23日の開幕戦(ホーム)は、真っ向勝負を挑んで2―3と力負け。8月31日の対戦(アウェー)では5バックで守備的に戦ったが、守り切れずに1―3と完敗した。特にアウェーでの敗戦では、抜群の破壊力を誇る横浜Mに、守備重視しても押し込まれ続けると耐えきれないことは痛感したはず。一方で後半途中に遠藤を投入して布陣を4バックに変更し、その後の時間帯は互角以上の戦いをみせたことも印象的だった。

しかしJ最強の攻撃力を誇る相手に、試合を通じて主導権を奪うことは不可能だろう。そこでポイントとなるのが、今季キャンプから取り組んできたハイプレスだ。柏戦では「前でボールを奪うアグレッシブさに欠けていた」と指揮官。その修正を今週の練習で行い、横浜M相手にも“攻撃的な守備”を仕掛ける準備は整えたはず。まずはボールを奪わないことには、攻撃は始まらない。その点でいくと、井手口の起用が現実的に思える。

遠藤は先発出場すれば21年開幕スタメンと、自らが持つJリーグ記録を更新する。長年、当然のごとく開幕戦も先発してきた40歳だが「その記録は全然、興味がないですね。選手である以上、先発で試合に出たいのは何年たっても変わらない。でも監督が決めること。チーム状況を見ながら、いいプレーを選択していきたい」と話した。まずはアグレッシブな守備から互角の内容に持ち込み、試合途中に遠藤を投入し、リズムを変えてゴールを目指す。そんな展開に持ち込めれば、昨季7位のG大阪が、連覇を狙う王者にひと泡吹かせる可能性は十分あるはずだ。

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