J1、J2今節の見どころは? 王者・マリノスは白星発進なるか。ギラヴァンツ北九州対アビスパ福岡のダービーマッチも!

横浜F・マリノス対ガンバ大阪
注目カード(明治安田生命J1リーグ)
横浜F・マリノス対ガンバ大阪 2月23日 14:00

注目選手
FW:仲川輝人(横浜FM)
FW:宇佐美貴史(G大阪)

昨季のJ1王者である横浜F・マリノスは、今月8日に行われたヴィッセル神戸との富士ゼロックススーパーカップをPK戦の末に落としている。ただ、その試合では90分間で3得点を奪っており、昨季に引き続き攻撃力の高さを見せつける形となった。

また、J1王者として挑んでいるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)では、全北現代モータースに2-1、シドニーFCに4-0といずれも勝利を収めており、開幕戦に向けて勢いは十分と見ていいだろう。昨季にその威力を発揮したアタッキングフットボールは健在で、FWオナイウ阿道、GK梶川裕嗣などがACLでその実力を示すなど、新加入選手もフィットしつつある。このあたりは開幕前の大きな収穫と言ってもおかしくはなく、2020シーズンのリーグ戦白星スタートに期待がかかる。

一方のガンバ大阪は、今月16日に行われたYBCルヴァンカップのグループリーグ第1節で柏レイソルと対戦し、0-1で敗北。課題を露呈してしまう試合になったが、そこからこのマリノス戦までの間でどれだけ修正できたかが、ポイントとなるだろう。

3-5-2のフォーメーションをベースとするG大阪は、攻守両面でのハードワークが求められる。90分間の中でその強度をどこまで保てるかも重要となるが、マリノスの攻撃に耐える時間帯も増えるであろう中で、守備陣が粘り強さを発揮できるかどうかも注目点になる。アウェイという難しい状況の中、先制ゴールを浴びてさらに展開を難しくする、といったことだけは避けたいところだ。

マリノスの注目選手はFW仲川輝人。昨季の得点王&MVPに輝いた同選手に求められるは、やはり得点という部分だろう。相手の警戒も強まるであろう中、どこまで持ち味を発揮できるかどうかに注目だ。

G大阪の注目選手はFW宇佐美貴史。昨季、途中加入ながらも徐々にコンディションを上げていき、リーグ戦14試合で7得点を挙げたエースには、開幕戦からフィニッシャーとしての役割がもちろん求められる。この男が波に乗れば、チーム全体に追い風が吹くことは間違いない。

サンフレッチェ広島対鹿島アントラーズ
注目カード(明治安田生命J1リーグ)
サンフレッチェ広島対鹿島アントラーズ 2月23日 14:00

注目選手
MF:柏好文(広島)
MF:ファン・アラーノ(鹿島)

昨季のサンフレッチェ広島は、リーグ戦を6位で終える形となった。2018シーズンの2位という成績を考えると少し物足りなさが残る結果にも思えるが、MF森島司やMF松本泰志、DF荒木隼人、GK大迫敬介などの若手が頭角を現したシーズンでもあり、収穫がなかったわけではない。今季は彼らの更なる成長、そしてチームとしても昨季以上のレベルアップを果たしたいところだ。

城福浩監督体制3年目となる今季も、全員がハードワークを怠らない強固な守備を構築し、攻撃時はボールをしっかりと握りながら敵陣に攻め込むスタイルを継続する。今月16日に行われたYBCルヴァンカップ・グループリーグ第1節の横浜FC戦では2-0と完勝を収めており、開幕戦に向け状態は万全と見ていいだろう。鹿島アントラーズとの開幕戦でも、持ち味を発揮できるかどうか注目だ。

一方の鹿島アントラーズは、2020シーズンに向けザーゴ新監督を迎え、今冬にDF杉岡大暉、DF永戸勝也、DF奈良竜樹、MF和泉竜司を獲得するなど積極補強を敢行。戦力の大幅アップを図った。

しかし、先月28日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)・プレーオフのメルボルン・ビクトリー戦で0-1と敗北し、今月16日に行われたルヴァン杯・グループリーグ第1節の名古屋グランパス戦でも0-1で負けを喫するなど、チームはなかなか波に乗り切れていない。チャンスは確かに作れているが、同2試合で無得点に終わっているのも気になるところだ。広島戦で勝利を掴み、悪い流れを払拭したいところだが、果たして。

広島の注目選手はMF柏好文。切れ味鋭いドリブルを武器に攻撃面で崩しの切り札となることはもちろん、守備面でも献身的なプレーを見せることができる同選手は、まさに広島に不可欠な存在だ。昨季はキャリアハイの8得点をマーク。その勢いを今季も継続して発揮し、広島を勝利に導きたいところだ。

鹿島の注目選手はMFファン・アラーノ。ブラジルの名門・インテルナシオナルの下部組織で育った同選手は、スピードとテクニックを兼ね備えるMFで、今季の鹿島における攻撃の中心人物にもなり得る存在だ。ザーゴ監督の目指すサッカーを体現するのに重要な選手と見て間違いなく、開幕戦でのパフォーマンスに注目が集まる。

ヴィッセル神戸対横浜FC
注目カード(明治安田生命J1リーグ)
ヴィッセル神戸対横浜FC 2月23日 14:00

注目選手
MF:アンドレス・イニエスタ(神戸)
FW:一美和成(横浜FC)

昨季、トルステン・フィンク監督の下で復活を果たしたヴィッセル神戸は、元日に行われた天皇杯で優勝を飾り、さらには横浜F・マリノスとの富士ゼロックススーパーカップをPK戦の末制した。そして、クラブ史上初の出場となったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でもグループリーグ2連勝。その強さを見せつけている。

FWダビド・ビジャやFWルーカス・ポドルスキこそ抜けたが、今冬には清水エスパルスからFWドウグラスが加入。さらには昨季ブレイクを果たしたFW古橋亨梧やベルギー代表のDFトーマス・ヴェルメーレン、元日本代表のDF酒井高徳、MFアンドレス・イニエスタら昨季の主力選手も健在と、陣容はJ1でも屈指だ。

ACLに参戦する上で日程面との戦いも視野に入れなくてはならないが、パスサッカーをベースに、スピードを生かした速攻も取り入れたアタッキング・フットボールが威力を発揮し続ければ、上位進出も可能だろう。まずは横浜FCとの開幕戦でしっかりと勝利を収めたいところだ。

一方の横浜FCは、13年ぶりにJ1の舞台で戦う。最終ラインからしっかりとボールを保持し、そこから崩しに行くスタイルは、トップカテゴリーでも発揮していくことだろう。さらに、今冬にはMF手塚康平やFW一美和成が加わるなど、下平隆宏監督のサッカーを体現できる選手も揃え、昨季昇格に貢献した主力も軒並み残留。J1で戦う準備をしっかり整えた。

しかし、YBCルヴァンカップのグループリーグ第1節、サンフレッチェ広島戦では0-2と完敗。トップカテゴリーの厳しさを痛感した。そして、開幕節はアウェイでJ1屈指の陣容を誇る神戸が相手。こちらも厳しい戦いになることが予想されるが、広島戦の反省点を生かし、どこまで粘り強く戦えるかが勝ち点奪取のカギとなるだろう。

神戸の注目選手はMFアンドレス・イニエスタ。35歳となった現在も変わらぬ異次元プレーを見せる同選手は、やはり神戸のカギを握る存在と見ていいだろう。攻撃を加速させるにも落ち着かせるにもこの男の働きは重要となる。

横浜FCの注目選手はFW一美和成。昨季、京都サンガF.C.で17ゴールを奪ったその実力は確かなものがあり、ポストプレーも冴えるなどゴール前での仕事ぶりは得点だけに留まらない。東京五輪世代のストライカーが開幕戦から力を発揮できれば、敵地での歓喜もあり得る。

ギラヴァンツ北九州対アビスパ福岡
注目カード(明治安田生命J2リーグ)
ギラヴァンツ北九州対アビスパ福岡 2月23日 13:30

FW:町野修斗(北九州)
MF:前寛之(福岡)

2018シーズンはJ3で最下位に沈んだギラヴァンツ北九州であったが、昨季は“昇格請負人”である小林伸二監督を招聘し、見事J3優勝を飾った。J2参戦は4年ぶり。まずは残留が第一目標となるだろう。

小林監督の下、攻守両面でアグレッシブな姿勢を貫いた昨季の戦い方は、今季も継続して行うはずだ。また、MF斧澤隼輝など8名の新戦力も加わり、昨季に引き続き若手主体のチームが完成している。もちろん、若さゆえの脆さもどこかで浮き彫りとなってしまう可能性は否めないが、勢いを持った時には抜群の破壊力を持つこともある。まずはアビスパ福岡との「福岡ダービー」を制し、弾みをつけたいところだ。

一方のアビスパ福岡は昨季、J2で16位フィニッシュと不本意なシーズンを送ってしまった。ただ、今年は5年に一度の「昇格イヤー」。期待感は高い。

新監督には水戸ホーリーホックを躍進させた長谷部茂利監督を迎えた。そして、DFエミル・サロモンソンやFWフアンマ・デルガド、MF菊池大介、MF増山朝陽を加えるなど積極補強も敢行。昨季果たせなかったJ1昇格に向け、着実に準備を整えた。陣容もスタイルにも大きな変化が芽生えるであろう今季は、まさに勝負の年となる。

北九州の注目選手はFW町野修斗。昨季チームトップとなる8得点を挙げた同選手は、今季もチーム最大の得点源として期待されている。開幕戦から目に見える結果を残したいところだ。

福岡の注目選手はMF前寛之。長谷部監督の下、水戸で2年間プレーし、今季より福岡に加わった同選手は、指揮官のサッカーを体現する上で重要な人物となる。豊富な運動量を武器にしたボール奪取の上手さに定評があり、それは新天地でも生きるだろう。今季のキープレーヤーになり得る存在なだけに、開幕戦からしっかりそのプレーを見ておきたい。

水戸ホーリーホック対大宮アルディージャ
注目カード(明治安田生命J2リーグ)
水戸ホーリーホック対大宮アルディージャ 2月23日 14:00

注目選手
FW:中山仁斗(水戸)
MF:奥抜侃志(大宮)

昨季の明治安田生命J2リーグで昇格を争ったチーム同士が、開幕節から激突する。23日、水戸ホーリーホック対大宮アルディージャが14時にキックオフの時を迎える。

得点数の差で惜しくもプレーオフ進出を逃した昨季の水戸。その躍進を支えた長谷部茂利監督はアビスパ福岡へと去ったが、今季は秋葉忠宏監督の下で再出発を図る。

今冬は選手の入れ替わりが激しく、その分ポジション争いは激しさを増しそうだ。しかし、それこそがチームの戦力アップに繋がるかもしれない。MF山田康太、FW山口一真といったJ1でプレーしていた若手選手も加わっており、楽しみな陣容なのは確か。複数ポジションをこなすことができる選手も多いので、多彩な戦い方を組み込むこともできるだろう。新指揮官の手腕に注目だ。

一方の大宮は昨季、またしてもプレーオフでの敗退を余儀なくされ、J1復帰を逃す結果となった。今季はその悔しさを晴らすべく、なんとしてもJ1への切符を掴み取りたいところだ。

今冬には運動量豊富なMF菊地俊介やMF翁長聖、MF黒川淳史などが加わり、昨季も武器としていたボール奪取後の素早い攻撃は今季もその威力を発揮しそうだ。また、今シーズンはビルドアップ面での向上も視野に入れており、試合によって臨機応変な戦い方も可能となるだろう。高木琢也監督の求める人材が揃っているのは明らかであり、開幕戦からエンジン全開で挑んでJ2優勝へ向けての勢いをつけたいところである。

水戸の注目選手はFW中山仁斗。今季ジュビロ磐田から加わった28歳のFWは、強靭なフィジカルを生かした強さと味方を活かす上手さを兼ね備える選手であり、水戸の新エースとして期待されている。早くも同クラブのキャプテンに就任するなど、クラブからの期待値も明らかだ。

大宮の注目選手はMF奥抜侃志。昨季リーグ戦25試合に出場するなど頭角を現した20歳の若者は、背番号をそれまでの「33」から「11」に変更し、新シーズンに挑む。味方との連係のみならず個でも打開できる同選手は、大宮の攻撃を加速させる上で重要な存在となる。開幕戦から目に見える結果を残したい。

リンク元

Share Button