J1最多出場記録の楢崎正剛氏とG大阪遠藤の共通点

28年目のJリーグが21日に開幕する。ガンバ大阪MF遠藤保仁(40)は、23日横浜F・マリノス戦(日産ス)に出場すれば、J1最多出場記録に並ぶ631試合となる。

現在その記録を持つのが、遠藤が最初に入団した横浜フリューゲルスで3学年上だった元日本代表GKの楢崎正剛さん(43)だ。現役生活24年間のうち、20年間を過ごした名古屋グランパスのレジェンドに聞いた。

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18年限りで現役を引退した楢崎さんは現在、名古屋初のクラブスペシャルフェロー(CSF)として活動中だ。主にユースで後進の指導に当たり、広報大使の役割も担う。自身の記録に追いつかれる心境はどういうものなのか。

「その時は、おめでとうと言いたい」という楢崎さんは「僕もそうだが、ヤット(遠藤の愛称)がそれを目指してやっているとは思えない。多く試合に出ることは誇りだが、現役選手にとってはあくまで通過点」と心中を察した。

楢崎さんが奈良育英から高卒4年目の98年、遠藤は鹿児島実から同じ横浜Fへ入団してきた。「丸刈りの細い新人が来たという感じ。当時もプレースタイルは、あのまんま」。横浜Fの消滅で楢崎さんは名古屋、遠藤は京都サンガFCへ。現役24年の楢崎さんに対し、遠藤は今季が23年目。ともに名古屋、G大阪でクラブの看板に成長した。

楢崎さんのGKというポジションは1人だけ、遠藤のMFは役割が違うため4、5人が同時に先発できる。条件は違う。楢崎さんは「試合に対する準備、常に出られる選手でいることが大切。そのポジションで1番でないといけないという考え方は同じ」と説明した。

遠藤とは12年に公開されたアニメ映画「名探偵コナン 11人目のストライカー」に声優として共演したが、本職ではもっと必然的な共通点が多い。大きなけがが少なく、歴代監督に実力を認めさせた。J2に降格したのもわずか1度で1年だけで復帰。今は10代でも海外移籍するが、基本はJリーグにこだわった。

「最近の選手は代表で戦って、打ち負かされ、Jリーグではだめだとよく言うけど、逃げてるだけにしか思えない。ヤットや僕も(代表でも)やってきている。意識の問題。僕も外に出たい時期があったが、自分がいる場所でまず輝かなければいけない」

06年W杯ドイツ大会はともに出番がなく、特に遠藤はフィールド選手で唯一ピッチに立てなかった。間近にいた楢崎さんは「だからこそG大阪でもタイトルを取ったし、次のW杯も活躍できた」と遠藤を称賛し、自身も「海外組に負けない」という気持ちを強く持ったという。偉大な記録に並び、並ばれる男たちの思いは今も熱い。

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