「想像の5倍は上を行っていた」昌子源がフランスで最も衝撃を受けた選手は?
「日本とはまったく違う世界」
2月14日に都内某所で行なわれたJリーグのキックオフカンファレンスで、ガンバ大阪の選手代表として登壇した昌子源に、フランスでの1年半について話を訊いた。
2018年のワールドカップでCBのレギュラーとして、日本のベスト16進出に貢献した昌子は、大会後にフランス1部(リーグ・アン)のトゥールーズへ移籍。1年目から定位置を掴み、リーグ戦18試合に出場した。
先を読んだ的確なポジショニング、冷静な対応、正確なビルドアップを披露し、まるで長年このクラブでプレーしているかのような落ち着きぶりで、最終ラインを引き締めた。
しかし、2年目の今シーズンは、足首の故障に悩まされ、1試合しか出場できず。クラブのメディカルスタッフの診断に不信感を持ち、日本で治療したいという思いもあって、1年半でJの舞台に戻って来る決断をした。
フランスでプレーした1年半について、昌子は「悔しい思いもありますが、最初から試合に出させてもらって、成長できたと思う」と振り返った。
「大事なところでの勝負強さとか、ずる賢さとか、そのあたりを学びましたね。クリーンな日本とはまったく違う世界でした」
CBとして、名うてのFWと何度も対峙した。
「単純にスピード、フィジカルが凄いし、腕の力ひとつとってもJリーグとは全然違った。初速も速いですしね。フランスといっても、アフリカ系の選手が多いですし、いい経験になりました」
なかでも衝撃を受けた対戦相手は、やはりというべきか、パリ・サンジェルマンのフランス代表FWキリアン・エムバペだという。
「セネガルのニアング(レンヌ)も凄かったですけど、エムバペは別格でしたね。想像の5倍は上を行っていた。テレビで見ているのとは全然違う。スピードも何もかもが……」
21歳の怪物とのマッチアップは、フランスに渡らなければ経験できなかったことだ。欧州での1年半を経て、心身ともに逞しくなって帰ってきた昌子のパフォーマンスから目が離せない。