【J1採点&寸評】G大阪×清水|“三冠”当時の強さを取り戻したG大阪がパトリックの1点を守り切り、清水に完封勝利 SOCCER DIGEST Web 8月23日(日)7時0分配信

新たな攻撃の形ができつつあるなかでの価値ある勝利。

【試合内容】
G大阪が第2ステージ8試合目にして初の完封勝利を収めた。

ホームチームは前節・FC東京戦で守備の緩みから敗戦したが、この日は立ち上がりから前線も連動したディフェンスを披露。31分にはGK東口のスローから、遠藤→倉田→宇佐美と素早くつなぎ、最後はパトリックが先制ゴールを奪った。

後半はボールの失い方が悪く、押し込まれる時間もあったものの、しっかりとエリア内を固めて守り切ってみせた。敗れた清水は攻撃陣が不発に終わった。

【チーム採点・寸評】
G大阪 6.5
三冠を達成した昨季のような粘り強い守備が戻った。4-2-3-1の布陣で、攻撃面では宇佐美のいる左サイドを中心にパスをつなぐ場面も増加。速攻だけに頼らない攻撃の形も見え始めてきた。

清水 5
失点はオフサイドトラップのかけ損ないというもったいない形から。しかしその後は必死の守備を見せ、良い位置でボールを奪う場面も多かったが、クロス、シュートといったフィニッシュの質が低く、最後までゴールは遠かった。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6.5
すべてのシュートをこぼすことなく、二次攻撃を一切許さず。気の利いたスローで先制点の起点となった。

DF
4 藤春廣輝 5.5
守備意識が高く、サイドでの守備に専念。しかし持ち味の攻撃力を存分に発揮できず。オーバーラップが少なかったのは残念だった。

5 丹羽大輝 6
最後までDF陣を統率してみせた。クロス対応などにもミスはなく、クリーンシートに貢献した。

6 金 正也 6
相手のクロス攻撃に対して、盤石のディフェンスを披露し、ゴール前でやらせなかった。

14 米倉恒貴 6
ハードな当たりで指揮官の求めるアグレッシブな守備を体現。機を見た攻撃参加も効果的だった。

MF
7 遠藤保仁 6
安定したボールさばきや、高い位置まで上がってのチャンスメイクで存在感を発揮していた。

11 倉田 秋 6
広範囲を動いて効果的なタメを作り、パスワークの中心的役割を担う。トップ下として及第点のパフォーマンス。

19 大森晃太郎 5.5
サイドでの献身的な守備は合格点。あとは攻撃面でゴールに絡む仕事が欲しかった。

15 今野泰幸 5.5
中盤の低い位置で、フィルター役として何度もボールを奪取。ただ攻撃への関与はやや少なかった印象。

39 宇佐美貴史 6
左サイドから好機を演出し、アシストもマーク。守備も献身的で、決定機を決めていれば文句なしだった。

FW
29 パトリック 6.5
苦手の1対1をしっかりと決め、値千金の決勝点。1トップとして身体を張り、チームを勝利へと導いた。

交代出場
MF
13 阿部浩之 6
裏への動き出しで攻撃を活性化。1点リードという状況を考えたボールキープなど賢いプレーも見せた。

MF
21 井手口陽介 -
88分に宇佐美との交代でピッチに立つ。わずかな出場時間のなか、最低限の働きは示した。

FW
9 リンス -
ロスタイムに投入され、見せ場はほとんど作れなかったが、クローザー役をまっとうした。

監督
長谷川健太 6
チームに守備意識を取り戻させ、完封勝利。前線の選手だけに頼らない新たな攻撃の形を作り出せてきているのは好材料だ。

判断を誤り、失点を招いたC・ヨンアピンは「4.5」。

【清水|採点・寸評】
GK
21 杉山力裕 5.5
ハイボールの処理でミスがなく、キックも安定感あり。ただパトリックとの1対1は止められなかった。

DF
26 鎌田翔雅 5
宇佐美への対応で後手に回り、高い位置を取ることができず攻撃でも脅威にはなれなかった。

45 角田 誠 5
パトリックとの肉弾戦に手を焼いた。相手に多くのポイントを作らせてしまい、劣勢を強いられた。

4 カルフィン・ヨンアピン 4.5
オフサイドトラップを仕掛けたが失敗し、失点に直結。微妙なシーンだっただけに狙うべきではなかった。

16 六平光成 5
前に出て行こうとする意欲は見せたが、スムーズなボール運びができず攻撃を停滞させた感もあり。

MF
7 本田拓也 5
中盤でまったく機能できないままで、後半の早い時間帯に交代。守備でも攻撃でも違いを作り出せなかった。

22 枝村匠馬 5
落ち着いたプレーは見せていたが、攻守の切り替えが遅い場面も。かつて“G大阪キラー”と呼ばれた面影はなく……。

19 ミッチェル・デューク 5.5
フィジカルを活かして攻撃の起点となったが、シュートやクロスの精度が低く、決定的な仕事はできず。

39 白崎凌兵 5
クロスの質、エリア内での冷静さが足りなかったか。決定的なチャンスを生み出せなかった。

FW
10 大前元紀 5.5
頻繁にボールを引き出して、何度も仕掛けていったが、最後の部分で崩し切れなかった。

9 鄭 大世 5.5
両チーム通じて最多タイのシュート4本を放つなど奮闘。しかし、ネットを揺らすには至らず。

交代出場
MF
20 竹内 涼 5.5
中盤の深い位置から縦パスを供給し、攻撃のスイッチを入れる。活性化には成功も結果は出せなかった。

FW
18 ピーター・ウタカ 5
ペースを掴む時間帯で投入されたが、クロスが入る回数が減ったなか、エリア内で迫力を発揮できなかった。

MF
6 杉山浩太 -
限られたプレータイムにおいて、必死にボールを追ったが、求められる仕事は果たせなかった。

監督
田坂和昭 5
守備面はポジティブな変化が見られるなか、不用意な失点に泣いた。メンバーの入れ替えなどで現状打破を試みたが奏功しなかった。

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