【SBSカップ】最下位に終わったU-18代表。攻守で露呈した軽視できない課題 SOCCER DIGEST Web 8月17日(月)13時51分配信

一瞬の隙を突かれる悪癖をまたも露呈して…。

 SBSカップ国際ユースサッカーの最終節が8月16日に行なわれ、U-18日本代表はU-18クロアチア代表に1-2で惜敗。今大会を17年のU-20 ワールドカップ出場権を懸けたU-19アジア選手権予選へのシミュレーションと位置付けて臨んだが、通算1分2敗の最下位という厳しい結果に終わった。

14日の静岡ユース戦と同様、日本はこの試合でも序盤からボールポゼッションで上回り、攻勢を仕掛けた。坂井大将(大分)、堂安律(G大阪ユース)の2 ボランチにボールを集め、右サイドハーフの三好康児(川崎)、さらには、右SB藤谷壮(神戸U-18)の果敢なオーバーラップを活かしながら攻め込み、8 分には早速決定機を作り出す。

三好との連係で右サイドを崩した堂安の低いクロスを岸本武流(C大阪U-18)がシュート。これはミートし切れなかったが、個々の持ち味が凝縮された一連の流れは悪くなく、このまま勢いに乗るかと思われた。

ところが14分、高い位置を取っていた左SBの浦田樹(千葉)の背後を突かれ、そこからのクロスから先制点を献上。キャプテンマークを巻いた坂井が 「1、2戦目と同じように、自分たちのミスからだった」と悔やんだように、一瞬の隙を突かれる悪癖をまたも露呈してしまった。

自陣でのボールロストからパスを回されてスペイン戦(△1[6PK5]1)での失点、さらにはDF陣がロングボール処理を誤って喫した静岡ユース戦 (●1-2)での2失点目しかり、この先も「勿体ない失点」が続けば、アジアでも足もとをすくわれかねない。「意識を変えていかないといけない」(内山監 督)と、この段階で課題に気づかされたのは救いだろう。

また2失点目の場面のように、セットプレーを簡単に与えてしまったのも看過できない。U-19アジア選手権予選では、高さとフィジカルで分があるオーストラリアが同居するとなればなおさらで、内山監督も「しっかりケアしないといけない」と険しい表情で語った。

内容はまずまずだったが、2点目を取る力はなかった。

攻撃面においては、決定力への不安も覗かせた。

内容は決して悪くはなく、堂安や三好らテクニカルなタレントを擁し、ドリブルや細かなパスワークを効果的に織り交ぜながら、「意図する形は作れていた」 (坂井)。しかし、1-2と勝ち越されてからは相手の堅い守備ブロックを崩せずに苦戦。ゴール前までは迫れても、「2点目を取る力が足りなかった」(坂 井)のは否めない。

オーストラリアのほか、ラオス、フィリピンと戦うU-19アジア選手権予選でも、引いて守られる展開は十分考えられる。「僕や(堂安)律が中盤から上がっ ていって、2列目やFWの選手とワンツーで抜けていく回数をもっと増やしたい」(坂井)との意図も分かるが、なにより求められるのは結果だ。チャンスを作 ることに目を向けるのも良いが、ここぞの場面でのシュートミスやパスミスを減らす意識をより高める必要もあるだろう。

「(今大会の)結果は残念なものに終わってしまいましたが、課題が出たことをポジティブに捉えて、チーム力の向上に取り組んでいきたいです」(坂井)

10月のU-19アジア選手権予選まで2か月弱。危機感ばかりが募る結果となったが、これをひとつのきっかけに発展へつなげたい。

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