昨季三冠王者のG大阪が下した決断 エース宇佐美が主戦場を離れた理由 Soccer Magazine ZONE web 8月17日(月)10時36分配信

左サイドでの起用で無得点

 試合開始からクラブでは、見慣れぬポジションに背番号「39」の姿があった。青黒のエースは、新たな位置で奮闘を見せた。

ガンバ大阪のFW宇佐美貴史は16日、1-2で敗れたアウェーFC東京戦で、チームを勝利に導く得点を挙げることができなかった。この日、クラブでは今 季初となる4-2-3-1システムの左サイドで先発出場した。だが、両チームを通じて最多6本のシュートを放ちながらも不発に終わると、試合後の宇佐美は 険しい表情を崩さなかった。

「東アジア杯でも点を取れなかったし、シュート精度を上げないと」

前半は見せ場なく折り返したものの、後半2分にはサイドチェンジからFWパトリックの同点弾の起点となり、同8分にはボックス内で強烈な左足シュート。10分には中央エリアで3人抜きのドリブルを披露するなど、要所でその存在感を放った。

しかし、勝ち点を持ち帰ることはできなかった。

「サイドでのプレーとなったが、中央からシュートを狙う意識は常にある」

そう話す通り、左サイドから中央に切り込んで再三シュートを放つなど、得点への積極性を失うことはなかった。ただし、ゴールから距離が離れたことで攻撃への自由度は減り、必然と守備の負担が増えたのも事実だ。

試合後の長谷川監督は、ゴール前で最大限の力を発揮する宇佐美をサイドで起用する意図をこう語っている。

「宇佐美とパトリックの2ト ップは、だいぶ研究されている。そのための1つの解決策。調子の良い倉田との連係で崩していくことも必要」

昨季三冠の原動力となった2トップには、全チームが注意を払う。チームに変革の必要性が訪れているのは確かだ。

日本のこれからを背負う23歳だ。代表でも同じポジションを務めることが多いだけに、プレーの整理と、さらなる研さんは不可欠だろう。クラブにおいても、宇佐美の新たな挑戦は始まったばかりだ。

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