なぜ、スサエタは日本を移籍先に選んだのか?決断の背景、日本での生活について語る

ガンバ大阪が岐路に立たされている。9月28日の明治安田生命J1リーグ第27節、セレッソ大阪との“大阪ダービー”に敗れて14位に後退。J1昇格プレーオフ出場となる16位まで勝ち点3と、残留に向けて緊迫の状況が続いている。

しかし、光明も見え始めている。9月にスペインからやってきたマルケル・スサエタの存在だ。元スペイン代表の31歳アタッカーは、ダービーで加入後初の先発フル出場。早くもチームへ溶け込み始めている。そんなスサエタが、DAZN配信の『Jリーグプレビューショー』に登場。G大阪への思いや、異国の地・日本での生活について語った。

ダービーで初の先発フル出場
ダービーでは、56分までに3ゴールを許す苦しい展開となったG大阪。後半アディショナルタイムに1点を返したものの、ライバルに1-3で敗戦。C大阪にリーグ戦で敗れるのは7年ぶりだった。

大一番を落としたG大阪だが、この試合で先発フル出場を果たしたスサエタは「インテンシティを上げることを心掛けていたので、フィジカル面で自分のプレーは良かったと思います」と手応えを口にする。

実際に右サイドハーフで出場したスサエタは、C大阪戦でチーム1位のスプリントを記録(23回)したほか、走行距離も11.142キロとチーム2位の数字を記録。90分を通して攻守に献身性を示した。

チームメイトの宇佐美貴史は、スサエタについて「流動的に動いて、いろんな場所に顔を出して配給であったり、背後の飛び出しの動きをしてくれるので、前としてはありがたい」と好感触を見せれば、ベテランの遠藤保仁は「彼の経験だったり、ボールを扱う技術はチームのプラスになっていくと思うので、あとはコンビネーションをより良くしていければ彼の良さをまだまだ引き出せる」と、さらなる連係向上の可能性を予見している。

一方でスサエタ本人は「自分のプレーの特徴やストロングポイントについては話せません」ときっぱり。そう話すのには理由がある。

「言ってしまうと次の試合に影響することがありますから。試合を見ていただければ、私がどんな選手かは分かると思います。唯一言えることは、つねにチームのためにすべてを出し切るということです」

「オファーが来たときに迷わず決断した」
スペイン・バスク出身のスサエタは、育成組織から地元のアスレティック・ビルバオ一筋でプレー。2019年にはビルバオ史上5人目のクラブ通算500試合目を達成。大記録を打ち立てた。

「私は小さな頃からビルバオのファンでした。9歳で育成組織に入ってから22年間、ずっとビルバオのエンブレムを身に着けてきました。自分のすべてをクラブのために捧げられたと思っていますし、507試合に出場できたことも誇りに思っています」

ビルバオで偉大な実績を築いてきたスサエタだが、自身初の移籍先になぜG大阪を選んだのだろうか。

「ビルバオを離れるときは、リーグも変えるつもりでした。私は日本の文化に興味があったので、ガンバからオファーが来たときに迷わず決断しました。まだ来日して間もないですが、とても満足しています」

異国の地で生活をはじめて間もないものの、「日本ではどこでも丁寧に対応してくれますし、街もとてもきれいです。例えば電車に乗るときなどに言葉の壁があってもすぐに助けてくれます。日本の文化や繊細さは本当に素晴らしいと思います」と絶賛。食事への抵抗もなく「すごく美味しくて驚いています」と話し、特に印象的に残っているものに「カツ丼が美味しかった」と挙げた。

さらに、スサエタは日本語習得も熱心に取り組んでいる。「まずはピッチ上で使う言葉を中心に覚えたあとで、少しずつ日常で使う言葉も覚えていっています」と話すように、インタビューでは「ミギ、ヒダリ、ウシロ、マエ、マテ、キーパー、アリガトウ…」といった単語がスラスラと飛び出した。「覚えた単語をすべて言うと時間がかかってしまいます(笑)」と言うほど、抵抗なく日本語に慣れ親しんでいるようだ。

G大阪は今節、7位・北海道コンサドーレ札幌と対戦する。スサエタは「順位が良くない」ことを指摘しつつ、「問題点の改善」を掲げている。

「とにかく皆で必死にやること、一つになって選手同士で助け合うこと。それが選手にできることだと思うので、そうやって順位を上げていきたいです」

サッカーだけでなく、日本での生活にも順応し始めているスサエタが、苦しむG大阪の救世主となるのか、注目が集まる。

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