【J1採点&寸評】G大阪1-0鳥栖|押し込まれるガンバを救った渡邉千真がMOM!主導権を握った鳥栖は決定力に泣く

G大阪――攻め込まれる時間帯が続いたが、選手全員が勝利への執念を見せた
[J1リーグ26節]G大阪1-0鳥栖/9月14日(土)/パナスタ

【チーム採点・寸評】
G大阪 6
前半は狙いとする攻めを見せていたものの、後半は鳥栖の攻勢の前に一方的に押し込まれる時間帯が続いた。鳥栖の決定力不足にも救われたのは事実だが、それでも選手全員が勝利への執念を見せた。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
立ち上がり早々の福田のシュートをビッグセーブ。キックミスでピンチを招く場面もあったが後半劣勢の時間帯に懸命のセーブを見せ、その存在感で相手に見えない圧力をかけた。

DF
27 髙尾 瑠 5
前半、決定的なチャンスで攻め上がりながらもクロスを選択したのはいただけない。後半はビルドアップでもミスが多く、決定的なピンチを招くなど、今後に不安をのぞかせるプレーだった。

5 三浦弦太 6
前半から金崎とバチバチやりあった。ビルドアップでミスもあったが、高尾のサイドのケアをしながら、崩壊寸前の最終ラインを懸命に支え続けたのは評価されるべきだ。

19 キム・ヨングォン 6
韓国代表から合流したばかりの過密日程を感じさせないプレー。ただ、藤春と連係は久々だっただけに、何度か自身のサイドで危ない場面を作られることもあったが、かろうじて踏ん張った。

4 藤春廣輝 6
本来の藤春ならば6点はつけないが、全体合流後一度も90分の試合をこなさずして、鳥栖戦を戦い抜いたのは見事。前半は倉田とのホットラインから鋭い攻め上がりを見せていた。

MF
7 遠藤保仁 6
宮本監督が選ぶ序列が上がってきているのも納得の出来。前半は気の利いたパスで、崩しを工夫し、攻撃を牽引。要所では守備のスイッチも入れたが、劣勢の後半の展開だと持ち味が半減。

15 井手口陽介 5.5
広い範囲をケアし、さすがの運動量を見せたがクエンカに対しては相手がうまさを見せた。しかし振り切られた後のリカバーと、最後のところで芽を摘むあたりはさすが。

G大阪――決勝点はベテランらしい勝負強さを見せ、チームを救った。
8 小野瀬康介 5.5(66分OUT)
最近は仕掛けが鋭く好調だったが、高尾の攻撃参加が少なかったこともあり、やや単発で苦しい仕掛けの場面が目立った。前半、決定的なシュートを放つも金井の執念のクリアでゴールにならず。

10 倉田 秋 6(83分OUT)
前半は鳥栖のギャップにうまく顔を出し、遠藤らのパスを引き出しながら鋭い仕掛けを見せた。秀逸なのはやはり藤春のオーバーラップを引き出す上手さ。攻守にハードワークした。

FW
18 パトリック 5(72分OUT)
動き出しも見え見えのオフサイドが多く、起点になることができなかった。いいボールが来なかったのも事実だが、シュートゼロはいただけない。途中交代もやむを得ない出来だった。

33 宇佐美貴史 6
シュート数は両チーム通じて最多となる6本を放った。ドリブルでの仕掛けもこれまでになく積極的で、何より宇佐美らしいパンチの効いたシュートが戻ってきた。ただ、前線からの守備には課題も。

交代出場
FW
9 アデミウソン 5.5(66分IN)
決勝ゴールをおぜん立てしたクロスはパーフェクト。ただ、投入直後からパスがずれたり、相手の起点になったりと、試合に入りきれていなかった。もっとミスなくプレーしたい。

MAN OF THE MATCH
FW
39 渡邉千真 6.5(72分IN)
押し込まれ続けていた時間帯に前線の起点としても期待され投入された。ほぼチャンスらしいチャンスがない難しい展開だったが、決勝点はベテランらしい勝負強さを見せ、チームを救った。

MF
14 マルケル・スサエタ ―(83分IN)
まだ合流から1週間も経過しない中でのJリーグデビュー。得点が欲しい時間帯に最後のカードとして起用。直後に点が生まれたため、目立ちはしなかったがそれでも本物の雰囲気を漂わせた

監督
宮本恒靖 6
結果的に采配が的中したのは間違いないが、一方的に攻められている時間帯にもっと早く動くべきだった。攻撃的なカード3枚を切った判断は適切で、渡邉に救われた格好だ。

鳥栖――失点以外、後半はほぼ狙い通りのサッカー
[J1リーグ26節]G大阪1-0鳥栖/9月14日(土)/パナスタ

【チーム採点・寸評】
鳥栖 5.5
前半は互角の展開だったが、後半はほぼ鳥栖が狙い通りのサッカーでG大阪を圧倒した。ただ、悔やまれるのは決定力のなさ。ポストやバーに嫌われる不運もあったが、今後につながる内容だった。

【鳥栖|採点・寸評】
GK
18 高丘陽平 6
後半早々、リスタートからのクイックプレーで宇佐美が放った枠内シュートにも機敏に反応したのは見事。キックの精度は高くなかったが守りに関して安定しており、失点も責めるのは酷だ。

DF
5 金井貢史 6
前半は藤春の突破に手を焼いたがそれでもしっかりと身体は張った。見事だったのは前半、小野瀬が放ったシュートをゴールライン上でクリアした場面。後半は攻め上がりもしっかり見せた。

3 高橋祐治 6
前半から局地戦で強さを見せ、パトリックに対しても全く引けを取らなかった。フィードはやや雑だったが、肝心の守りに関しては安定感と強さがあり、危険地帯をしっかりと潰した。

36 高橋秀人 5
不用意なビルドアップのミスから前半、決定的なピンチを招くなど、危なっかしい場面もあった。失点場面は渡邉の老獪さにしてやられた格好だが、対応はできたはずだ。

2 三丸 拡 5.5
守備に関しては好調の小野瀬に対しても粘り強く対応してしっかりと封じ、及第点の出来だったが、攻撃参加した際のクロスの質が改善されていなかった。

MF
6 福田晃斗 5.5
開始早々の枠内シュートで東口を脅かし、直後にも枠内シュート。ボールを触って前半はリズムを作り出そうとしていたが、守備に回った際、判断が甘くピンチを招く場面も。

4 原川 力 6(80分OUT)
派手さはないが、中盤の底でうまくバランスを保ち、試合展開を読んだ動きを見せた。後半の猛攻時には攻めに絡む意識を見せ、大きなミスもなかった。交代は戦術的なものだった。

鳥栖――ガンバキラーの豊田陽平を投入するが本領は発揮できず
25 アン・ヨンウ 5(52分OUT)
精度が欲しいところで、細かいミスが目立ち、パスワークのリズムダウン。仕掛けに関しても、気持ちは見せたのだが復帰直後の藤春に粘り強く対応され、決定的な仕事はできずに終わる。

7 イサック・クエンカ 6
やはり技術の高さは群を抜いている。サイドでもクレバーに動いてG大阪を手こずらせると、突破でも井手口に経験値の高さを見せつけた。後半シュート3本放つも決め手を欠いたのが痛い。

FW
44 金崎夢生 5
猛烈なプレスで確実にG大阪に対する脅威になっていた。自身がゴールに迫るだけでなく、潰れ役としても周囲を生かしていたが、惜しむらくは後半の猛攻時のシュートの精度。それだけが欠けていた。

39 金森健志 5.5(89分OUT)
質の高いハードワークで、ピッチ所狭しと駆け、相手を手こずらせた。再三、決定機を得ていただけに得点を決めたかった。ゴール前での精度とクオリティは改善したい。

交代出場
FW
40 小野裕二 6(52分IN)
小野の投入後、より前線からのプレスの強度と連動性が上がり、完全に鳥栖ペースに。動きの質は高かったが、もう少しシュートに絡む動きを見せても良かったのでは。

11 豊田陽平 ―(80分IN)
展開的に押し切れる流れだったため、金監督が原川に変えて、リスク覚悟のカードとして投入。しかし、直後に失点してしまい、それまでの猛攻の流れがストップ。ガンバキラーの本領は発揮できず終わる。

MF
24 安在和樹 ―(89分IN)
1点を追う89分に投入され、ほぼ時間がない中で決定的な仕事を求めるのは酷というもの。なんとかしたい気持ちは感じさせたが、もはやG大阪が完全な逃げ切りモードに入っていた。

監督
金 明輝 5.5
後半、小野の投入で攻守両面のギアを上げ、完全に主導権を握ったのは狙い通り。一方的な展開に持ち込んだのは評価したいが、決定力に関しては監督が関われないところが残念だった。

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