【G大阪】採点&寸評 J1残留争いの大一番に勝利…MOMは意地みせた33歳FW
◆明治安田生命J1リーグ第26節 G大阪1―0鳥栖(14日、パナスタ)
G大阪は元日本代表FW渡辺千真(33)の決勝ゴールで鳥栖に1―0と競り勝ち、7試合ぶりの勝利を挙げた。敗れればJ2とのプレーオフ圏となる16位転落となっていた下位対決。昨季も夏に加入してJ1残留の立役者となった男が、貴重な今季初ゴールでチームを救った。
この試合、左足趾骨折で長期離脱していた元日本代表DF藤春廣輝(30)が約3か月半ぶりに先発復帰し、前半は左サイドを中心に攻撃を展開。しかし崩し切るには至らず、0―0のままハーフタイムへ。後半は鳥栖の積極的なプレスを外せず、ショートカウンターから何度も決定機を作られた。しかしパトリックに代わり、後半27分にピッチインした渡辺がチームを救った。同39分、FWアデミウソンのクロスに頭で合わせて貴重な1点をもぎ取った。宮本恒靖監督(42)は「千真は最近、練習から(調子が)よかった。どこかの試合でゴールが生まれそうだという気配はあった。チームにとって大きなものになりました」と、大仕事を果たしたストライカーをたたえていた。
以下は採点&寸評
宮本恒靖監督【6・0】
パトリックをあきらめ、渡辺に託した判断が功を奏した。負傷明けの藤春をフル出場させた“ドS起用”も結果的には吉と出た
GK〈1〉東口順昭【6・5】
細かいパスミスもあったが、開始16秒でのスーパーセーブがなければ、まったく違った試合になったはずだ
DF〈4〉藤春廣輝【6・0】
フル出場は約5か月半ぶり。万全ではない中で「ほんまに出し切りました」という言葉通り、試合後には倒れこんで担架で運ばれるまで力を振り絞った。脱帽。
DF〈5〉三浦弦太【6・0】
前半は配球の不安定さもあったが、鳥栖FW金崎に仕事をさせまいという熱いプレーは頼もしかった
DF〈19〉金英権【6・5】
わずかにコースを変えて決定機を防いだプレーなど、ギリギリの対応で無失点に貢献した
DF〈27〉高尾瑠【5・0】
3バック時は目立っていたビルドアップの安定感が、4バックになるとやや低下。自陣で捕まり、大ピンチを招くシーンも
MF〈7〉遠藤保仁【5・5】
前半はさすがのボール回しでチャンスを演出。後半は押し込まれた中で持ち味発揮するシーンは少なかった
MF〈8〉小野瀬康介【5・5】
アウトサイドでは周囲とのコンビネーションがぎこちなかった印象。時折見せるインサイドでのプレーは脅威だった
MF〈10〉倉田秋【5・5】
相棒・藤春の復帰で、左サイドで良質なコンビネーションを披露。後半は右サイドにポジションを移し、守備の仕事に奔走
MF〈15〉井手口陽介【5・5】
積極的な守備はかわされるシーンもあったが、自分の尻は自分で拭くといわんばかりの動きで奪い返した。ビルドアップへの関与には改善の余地あり
FW<33>宇佐美貴史【5・5】
気温の低下も手伝ってか、明らかにキレがアップ。シュート6本も決めきれなかったが、やっと“宇佐美感”は出てきた。復調の兆しが見えたことは大阪ダービーに向けて朗報
FW〈18〉パトリック【5・0】
最前線で構えたが、らしさが出たシーンは数えるほど。高さで競り勝つプレーも少なく、シュート0本では交代もやむなし
途中出場
FW〈9〉アデミウソン【6・5】
中盤でのボールロストは気にかかるが、左足での正確クロスで1アシスト。どんな起用法でも全力を尽くす姿勢も素晴らしい
FW<39>渡辺千真【7・0】
ストライカーの意地を見た。J1通算92点目は「今までのどのゴールとも違う」重い意味を持つ得点に。マン・オブ・ザマッチ。
FW〈14〉スサエタ【―】
Jリーグデビュー。リードを守ることを最優先にプレーし、着実にそれを実行した。採点はなし