【J1採点&寸評】FC東京×G大阪|N・バーンズが1得点1アシスト! 堅守速攻を実践したFC東京がG大阪を退ける SOCCER DIGEST Web 8月16日(日)22時50分配信
【試合内容】
豪雨のなかキックオフされた試合は、ホームのFC東京が15分に先制した。N・バーンズの右サイドからのクロスに右足で合わせたのは、MFの米本。東アジアカップで出番がなかった悔しさをぶつける一撃で、サポーターに歓喜をもたらした。
1-0となってからは膠着状態に。パスワークで崩そうとするG大阪をFC東京が組織立った守備で食い止める展開となり、双方ともあまり良い形を作れないまま前半を終えた。
後半に入るとG大阪が反撃。47分に宇佐美のサイドチェンジから、右SBの米倉がヘッドで落としたボールをパトリックが押し込んで1-1に追いつき、以降、流れはアウェーチームに傾きかけた。
しかし、FC東京はその波に呑み込まれなかった。カウンターでチャンスを窺い、そして59分には羽生のクロスに頭で合わせたN・バーンズの勝ち越し弾で再びリードを奪ったのだ。結局、このまま逃げ切りに成功。リーグ3連勝で、4位に浮上した。
【チーム採点・寸評】
FC東京 6.5
「堅守速攻」と呼ぶに相応しい戦術で、難敵のG大阪に勝利。N・バーンズを軸とした攻撃は、スピードに加えて“怖さ”もあった。
G大阪 5
一旦は追いついたとはいえ、第1ステージ当初の強さは感じられなかった。「負けるべくして負けた」とは長谷川監督のコメントだ。
【FC東京|採点・寸評】
GK
13 榎本達也 6.5
前節の甲府戦に続き、ビッグセーブでチームを救った。オーバートレーニング症候群に陥った権田の穴を十二分に埋めていると言える。
DF
2 徳永悠平 6
陸上選手のようなスプリントと縦へのドリブルで局面を前に進めた。安定していただけに前半だけでの交代(脱水の疑い)が悔やまれた。
3 森重真人 6
パトリックにしてやられた失点シーンを除けば、大きなミスはなかった。55分に宇佐美をテクニカルファウルで止めたあたりはさすが。
5 丸山祐市 6
前半はCBで、徳永が急きょ退いた後半は左SBで奮闘。急なコンバートにも及第点のプレーで応え、優れたユーティリティ性を発揮した。
50 松田 陸 6
敵SBの藤春に何度か裏を取られたが、トータルでは悪くない出来だ。セットプレーのキッカーを任されたあたりに監督の信頼が窺える。
MF
4 高橋秀人 6.5
CBふたりと程良い距離感を保ちながら、スペースを潰した。機を見たオーバーラップでエリアに侵入するスタンスも高く評価したい。
7 米本拓司 7
N・バーンズのパスを右足で押し込み、今季J1初ゴール。2点目の起点になるなど、気迫溢れるプレーでチームを根底から支えた。
17 河野広貴 6
スライディングでの守備から前田との連係で決定機を作り出した31分のプレーはグッド。左足のシュートが決まっていれば完璧だった。
22 羽生直剛 6.5
先制点につながるポストプレーも、2点目のアシストになったピンポイントクロスも“教材の見本”にしたい。味わい深い技術だった。
FW
16 ネイサン・バーンズ 7
15分に持ち前のスピードで岩下を翻ろうし、米本に最高のラストパス。以降も果敢にドリブルで攻め込み、58分には値千金の決勝弾とMOMに相応しい活躍だった。
20 前田遼一 6
攻撃面ではターゲットマンとして、守備面ではファーストDFとして機能。ゴールこそないものの、最後までチームのために走り切った。
交代出場
DF
29 吉本一謙 6
後半の頭に投入され、いきなりパトリックに一発を食らった。それでも動揺することなく、以降は森重とともにゴールを許さなかった。
MF
8 三田啓貴 5.5
中盤で上下動を繰り返して献身的に振る舞う半面、違いを作り出すプレーは皆無に等しかった。N・バーンズとの呼吸がいまひとつ。
FW
21 サンダサ -
同時期に加入したN・バーンズの活躍に刺激されたか。フィジカルを活かしたドリブルでゴールへの突破口を開こうとチャレンジした。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 7
権田、太田、梶山ら怪我人が相次ぐなかでも、チームをひとつにまとめた。「ピンチをチャンスに」を実践した手腕は見事のひと言だ。
【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5.5
12分に森重のミドルを弾き、49分にはN・バーンズの決定機を鋭い反応で阻止。2失点したとはいえ、最低限の仕事はしたと言える。
DF
4 藤春廣輝 5.5
スピード豊かなドリブルは影を潜め、宇佐美のフォローもそこまでできず、いまひとつ機能しなかった。守備面でもキレがなかった。
5 丹羽大輝 5.5
左右のクロスに反応が遅れ、結果的に2失点。カウンターを食らった際のポジショニングも曖昧で、90分通して安定感を欠いていた。
8 岩下敬輔 5
N・バーンズへの対応が甘く、1失点目の原因に。ピンチにつながる中途半端なパスもネガティブに映り、全体的にバタバタしていた。
14 米倉恒貴 6
47分に丁寧なヘッドでのパスでパトリックの同点弾をお膳立て。29分には角度のないところからミドルと、ゴールへの意識は高かった。
MF
7 遠藤保仁 5.5
中盤の底でパスを淡々と捌くピルロ的な仕事をしている印象も、大きなインパクトはなかった。FKやCKもほとんど弾き返されていた。
11 倉田 秋 6
トップ下とも言えるポジション取りで、巧みにパスを出し入れしていた。悔やまれるのは75分の決定機。ポストに阻まれていなければ。
13 阿部浩之 5.5
FC東京の左サイドをあまり攻略できないまま、無念の途中交代。雨がすっかり上がった後半はもっと積極的に仕掛けるべきだったか。
15 今野泰幸 5.5
FC東京の中盤を掴まえきれず、58分には米本にドリブルを許した結果、N・バーンズに決勝ゴールを奪われ……。悔いが残る一戦に。
FW
29 パトリック 5.5
森重や吉本らに止められる場面も多く、好調とは言い難いパフォーマンス。評価できるのは、首尾よく押し込んだ47分の同点弾だけか。
39 宇佐美貴史 5
チーム最多のシュート6本も、すべて空砲に。3人を抜いた55分の突破は素晴らしかったが、エースとしての役割は果たせなかった。
交代出場
MF
19 大森晃太郎 5
ボールを持って突っかけても、FC東京の守備網に引っ掛かるばかり。試合に入っていけず、失望だけを残した。
FW
24 赤嶺真吾 5
73分から途中出場もシュート0本。「パトリックを残しておいたほうが良かったのでは?」と思ってしまうほど、存在感が希薄だった。
FW
9 リンス –
出場時間が短く、まったくと言っていいほどチャンスに絡めなかった。次節に出番があれば、期待したい。
監督
長谷川健太 5
「セカンドボールを拾えず、FC東京のカウンターに対してリスク管理が甘かった」と反省。交代枠を有効活用できなかったのも痛い。