【G大阪】右か左か――PKの場面でパトリックが自信を持って“左”に蹴り込んだ理由

「相手GKのことはよく分かっていた」
[J1リーグ24節]鹿島2-2G大阪/8月23日/カシマ

“伏線”は、約2か月前の6月25日、ACLのラウンド16第2レグ、広島対鹿島の一戦にあった。

この試合で広島は3-2で競り勝つ。第1レグではホームの鹿島が1-0で勝利を収めており、トータルスコアは3-3だが、アウェーゴールの差で鹿島が8強入りを果たしている。

当時は広島に所属していたパトリックは、ホームでの第2レグでは途中出場し、2得点の活躍を見せる。白星をもたらすチーム3点目、自身にとっての2点目はPK。対峙するGKクォン・スンテは、駆け引きのひとつなのだろう、パトリックが蹴る直前まで“左腕”を上げていた。これを見たパトリックは、クォン・スンテが上げたほうの腕とは逆、つまりゴールに向かって左に蹴り込んだ。クォン・スンテはしっかりと反応して(上げた左腕とは逆の右に飛んで)ボールにも触れたが、止めることはできなかった。

上げた腕とは逆に飛ぶ――パトリックはこの時のことを忘れていなかった。

夏のマーケットで広島からG大阪に移籍したパトリックは再び、クォン・スンテとのPK勝負に挑むことに。J1リーグ24節、アウェーでの鹿島戦はアデミウソンのゴールで幸先良く先制するも、その後、2点を奪われて逆転を許してしまう。

だが、1-2で迎えた73分、ペナルティエリア内で福田湧矢が相手DFに倒されてPKを獲得。キッカーに名乗り出たパトリックには、確信があった。

「ACLの時もPKを蹴っているし、相手GKのことはよく分かっていた。いつも手を上げてくるんですけど、そっちのサイドとは逆に倒れるというか」

パトリックと対峙したクォン・スンテはこの時、“右腕”を上げていた。ACLの時は“左腕”を上げていて、その逆に飛んでいた。ならば――。

パトリックはACLの時と同様、左に蹴り込む。予想通り、上げた右腕とは逆の左側(パトリックから見て右)に飛んだクォン・スンテは、ボールに触ることさえできなかった。

相手GKとの駆け引きに勝ったパトリックが、貴重な勝点1をもたらした。

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