G大阪、宇佐美&パトリックの“三冠コンビ”再結成 同僚が語る“復活”のメリットとは?

第21節・神戸戦で3年ぶりにコンビ復活 宇佐美を起点にパトリックがゴールをマーク
今夏、ガンバ大阪に加入したFW宇佐美貴史とFWパトリックの「うさパト」コンビが、2日の第21節ヴィッセル神戸戦(2-2)で復活した。揃って先発出場し、1-0の後半8分には「コンビ」で魅せた。左サイドでボールを奪ったMF福田湧矢から宇佐美へとつなぎ、倉田へ。倉田がパトリックへパスを出すと、DFをかわして冷静にゴールネットを揺らした。宇佐美が起点となり、最後はパトリックが仕留めた。

両者ともまだコンディション、コンビネーションともに万全とは言えない。そのなかでも、第20節名古屋グランパス戦(2-2)では、3年ぶりにJ1復帰を果たした宇佐美が後半アディショナルタイムに劇的同点弾を挙げ、2人とも結果は残している。

コンビ復活となった神戸戦では、三冠を達成した2014年を彷彿とさせるような息の合ったプレーも見せた。前半6分、宇佐美の左クロスはドンピシャのタイミングでパトリックの頭上へ。惜しくもGKにキャッチされてしまったが、パトリックは「相手の選手がユニフォームを引っ張っていなかったら、GKより先に触れてゴールできてたのかなと思うし、お互い信頼し合っていて連係に自信を持っている」と振り返った。

一方の宇佐美は「要所要所は(連係が合っているところが)あるけど、まだまだ合っていくと思う。僕もそうですけど、パト(リック)もそうだし、どんどん状態が上がっていくと思うし、上げていかないといけない。そういう意識を持ってやっていきたい」と、自信を持ちながらも冷静に現況を分析した。

2人の出会いは2014年夏。降格圏の16位に低迷していたチームはパトリックが加入後、第15節ヴァンフォーレ甲府戦(2-0)から15勝3分2敗と“奇跡”のV字回復を見せ、勝ち点48を積み上げた。20試合で2人はそれぞれ9点ずつ計18点をマーク。「うさパト」の誕生は他クラブの脅威となった。

14年を知る同僚・倉田、知らない同僚・矢島がそれぞれ感じる“メリット”
14年を知る元日本代表MF倉田秋はコンビ復帰に手応えを持っている。2人が加わったことにより「メリットはめちゃくちゃある」としたうえでこう続けた。

「パトは今までになかった高さがあるし、貴史はインサイドハーフをやってるけど、より(チームが)ボールを持てるようになるんじゃないかな。あそこから良いパスも出せる。(自分にとっても)感覚が近い選手が入って来てくれた。(シーズン)途中から入ってくる選手は難しいけど、2人なら馴染みやすいし、適応力がある。イメージしやすい」

シーズン途中の入団は、新加入選手の順応に時間がかかることがあるが、宇佐美とパトリックなら2人だけでチャンスを作ることもできる。周囲との連係に時間をかけなくとも、攻撃の形がすでに存在していること自体がメリットとなる。では、2人がコンビを結成していた2年半を知らないMF矢島慎也はどうだろうか。

「宇佐美くんは上手いし、裏に走っている選手を使える。昨日のクロスも可能性を感じる。あとシュートも上手いし、自分がアンカーやっている時に関して言えば、インサイドハーフの宇佐美くんにあまり守備をさせない展開が望ましいなと思っている。夏場でもあるし、守備で走らせて攻撃のところでパワー使えないのは一番ガンバとしてもったいないと思うから、攻撃で自由に気持ち良くやってもらう。パトに関してはシンプルに裏を走らせて起点を作ってくれる。まだまだチームのみんなとパトが足元で欲しい時、裏を抜けている時とが上手くかみ合っていないと思うので、そこがかみ合えば、もっと良くなる」

課題は2人のコンディションの向上
コンビ揃ってプレーしていた時期があるため、当時を知らない選手でもイメージは沸きやすい。あとは感覚を詰めるだけ。この感覚がかみ合えば、攻撃のバリエーションが増える。神戸戦の先制点は矢島からのDFの裏を抜けるロングパスに倉田が反応してのゴールだった。シーズン中盤までに積み上げてきた連係を生かしつつ、新たな武器を手に入れたことになる。

前半31分には、パトリック、アデミウソン、宇佐美3人が絡んでゴール前で崩した。ここに矢島や倉田、両ウイングバックが絡んでくると攻撃に厚みが出てくる。チームメートも「コンビ」の再結成でG大阪がこれからさらに高まる攻撃力に自信を持っていた。

残り13試合。どこまで周囲との連係を高め、コンディションを上げられるか。14年の再来となるのか、また超えられる活躍ができるのか。“熟練コンビ”には起爆剤になってもらいたい。

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