G大阪 若き司令塔MF矢島が頭脳的タクト「相手は後半出てこられなかった」

◇明治安田生命J1第16節 G大阪1―0湘南(2019年6月22日 パナスタ)

G大阪は、21歳のFW食野亮の劇的なロスタイム弾でリーグ戦4試合ぶりの勝ち点3を手にした。その勝利を演出した1人が、5試合連続スタメンのMF矢島慎也(25)だ。

「湘南はチームカラー的に前からハメてくると思っていた。(前節の)磐田戦はそれをもろに食らって、前半30分くらいまで苦しんだ。今日は相手の1トップを僕と弦太(三浦)で挟み込むような感じで落ち着かせて、麗央(高江)と湧矢(福田)を絞らせて相手がこれないようにということを考えてやっていました。そこで結構相手を疲れさせたことで相手は後半、出てこられなかった」

中盤3枚の底で“アンカー”と呼ばれるポジションでスタート。DFラインからのビルドアップに矢島が加わることで、相手マークのズレを作った。そして機を見て相手守備陣の背後にパスを供給。ピッチの縦と横を広く使う長短織り交ぜたパスで、湘南の無駄走りを多くさせた。スタミナを消耗させた効果は徐々に現れ、元日本代表MF遠藤が後半開始から投入されたことで加速した。矢島は一列前のインサイドMFにポジションを移し、そこでも攻撃の起点として躍動。主導権を完全に握り、土壇場でのゴールを呼び込んだ。

「ビッグクラブは勝利を求められる。負けていなかったけど、勝ち切れない悔しさはあった。大げさだけど試合当日は生きた心地がしない」

スタメン定着後は1勝3分けで、ここ3試合は全てドロー。さらに、この試合が始まる前のチームはJ2降格圏の17位だった。攻守の心臓部を担う25歳にとって、タイトルを期待されるクラブで主軸として出場するのは初の経験。重圧は相当だが、一つ一つの経験を糧にしている。

「ここからはい上がっていくためには、もっと勝ち試合を増やしていかなければ。一人一人の成長とチームの成長が大事になってくる。今日は亮太郎がみせてくれた。次は麗央とか僕、湧矢や弦太が見せていかなきゃいけない。今の“一つも落とせない”というプレッシャーを、次は“勝たないといけない”というプレッシャーに変えていきたい」

暫定ながら残留圏の13位に浮上。だがG大阪は残留を目指すクラブではない。その浮沈を握るのが誰なのか、その自覚も芽生えつつある。

リンク元

Share Button