【G大阪】ファン・ウィジョが覚醒したワケ。背景には日本のスタイルと“ツネの金言”があった

きっかけは昨年8月のアジア大会だった。

 昨季、6戦連発を含む16ゴールを挙げ、Jリーグベストイレブンにも選ばれたファン・ウィジョ。今やG大阪でもエースとしての地位を確立し、韓国代表にもコンスタントに招集され、クラブでも代表でも存在感は日に日に増している。

そんな韓国人ストライカーが覚醒した理由は何だったのだろうか。

まず、何よりも大きかったのは昨年8月のアジア大会だ。ファン・ウィジョは7試合・9ゴールで得点王となり、韓国代表の金メダル獲得に貢献。当時の活躍について、次のように振り返った。

「今になってみると、良いきっかけになりました。アジア大会で活躍して自信がついて、大会以降もシュートが上達したので」

自信をつけてクラブに戻った後、26節の神戸戦から6戦連発。クロスに合わせたゴールや31節の浦和戦のようなカットインシュートなど、得点パターンは多彩だ。完成されたストライカーになりつつあるが、ここまで成長できた要因をファン・ウィジョはこう言う。

「韓国と日本ではサッカーのスタイルが異なって、今はそれぞれの良い部分を上手く融合できました。韓国では守備が堅いチームが多かったので、力強さを身に着けました。日本ではパスサッカーが緻密なので、細かい動きにもこだわれるようになりましたね」
日本のサッカースタイルの影響を多分に受けた韓国人FWは、動き出しのコツも教えてくれた。

「相手と駆け引きをしながら、常にシュートが打てるポジショニングを心掛けています。例えば、相手が4バックなら、ふたりのCBの間に立つ。そうすると、左右両方に選択肢ができて、そのままゴールに直結するプレーもできます。あとは、対峙したCBにも自分へのマークで迷いが生まれます」

動き出しが上達し、ファン・ウィジョの成長をさらに加速させたのは、宮本恒靖監督である。指揮官からの指導については、このように話していた。

「(宮本監督は)『FWはそんなに下がってくるな』と言ってくれます。おかげでシュートをどんどん打てるようになりました。試合後はいつもすぐに改善点を教えてくれるので、助かっています」

そうして迎えた新シーズンも、ファン・ウィジョは横浜との開幕戦(●2-3)に先発。開始早々に前線からのプレスで相手DFのバックパスをカットしてポスト直撃のシュートを放ち、小野瀬康介の先制点を演出した。今季もさらなる活躍に期待できそうな韓国人ストライカーのパフォーマンスに今後も注目したい。

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