宇佐美がG大阪を退任する長谷川監督に伝えたいこと。「どんな形でも、もう一度…」

厳しさのなかに優しさ――。J1昇格、3冠、天皇杯連覇をともに達成。

 ブンデスリーガ2部のデュッセルドルフに所属するFW宇佐美貴史が、今季限りでG大阪を退団することを発表した長谷川健太監督に感謝の想いを語った。

この夏のオフ、宇佐美が帰国した際には食事をともにする機会を設けてくれたという。まだアウクスブルクに在籍していた時だったが、ポジティブな言葉で選手を奮い立たせるのが持ち味の指揮官らしく、「海外に2度行けるだけでも特別な選手。自信を持っていけ」と背中を押されたという。

「厳しい言葉をいろいろもらった。でも厳しさのなかに優しさがある。一緒にやっていた間、必ずタイトルを獲得していたので思い出も深いです」

帰国後の13年はJ2優勝、そして14年はJ1、ナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)、天皇杯の3冠を達成、15年も最後に天皇杯を制した。長谷川監督の下、宇佐美が在籍した全シーズンで主要タイトルを掴んできた。

「『楽しみにしているぞ』と言ってくれたので、まず僕はピッチの上で結果を残すこと。ただ、この先いつか、健太さんにどんな形でもいいから、もう一度、恩返しをしたいです」

宇佐美はそのように日本の恩師への想いを語った。ふたりには言葉を越えたところでつながる、強い絆があるようだった。

シーズン開幕後の移籍期間ぎりぎりの8月30日に宇佐美はデュッセルドルフへ移籍。そのチームは8節を終えて、7勝1分1敗で2部首位に立つ。14日には4位のビーレフェルトとアウェーで対戦する。

チームが勝ち続けていることもあり、宇佐美は先発出場の機会をなかなかつかめずにいる。そのなかで、強烈なインパクトを残す2ゴールを決めている。「焦り? いや、そういうのはありません。チームが勝てているのは良いことですし、1年間、ほぼ試合から遠ざかっていた現実もある。ここからです」と足元を見つめ、突き抜ける時に備えて刃を研ぎ澄ます。

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