完成から2年 ガンバ選手に聞く吹田サッカースタジアムとは

大阪府吹田市にある「市立吹田サッカースタジアム」は2015年9月の完成以来、サッカーJ1「ガンバ大阪(G大阪)」の本拠地として試合のある日を中心にいつも盛り上がりをみせている。どのようなスタジアムかをカメラにおさめるとともに、実際にこのスタジアムでプレーしている選手にも感想を聞いてみた。

募金などから建設費の大半がまかなわれている

 大阪府吹田市千里万博公園にある同スタジアムは、大阪モノレールの「万博記念公園駅」から徒歩15分の場所にある。歩く時間は少し長いが、道中は少々坂があったりもするが、国内でも最大級とされる大型複合施設「EXPOCITY」や、過去にTHE PAGE大阪でもお伝えした全高123メートルの高さ日本一を誇る「OSAKA WHEEL」などもある。そして、見渡すと「太陽の塔」もみえるなど、人通りも多く常ににぎやかな場所となっている。

試合開催日ともなると、G大阪のユニホームを着たサポーターらがスタジアムに向かう姿がみられ、さらに盛り上がる同所だが、そのそばに市立吹田サッカースタジアムが堂々と建っている。

同スタジアムはG大阪がホームスタジアムとすることを前提にスタジアム建設募金団体が3万人以上の個人、そして700社以上の企業から集めた募金などから建設費の大半がまかなわれ、2015年9月に完成したもの。完成後に

日本代表戦も開催可能な4万人収容

 G大阪の広報を担当する奥永憲治さんの案内を受け、中に入ってみると、青空のもと目の前に広がる芝のピッチに間近に見える観客席が、試合を行っていなくても迫力に感じるサッカー専用スタジアムだ。

「ごらんの通り近いので、最前列に座った方は、選手が指示を送る声、最前列だと選手がせりあう音も聞こえてくるんですよ。細かいプレーなんかも目の前でみられますよ」と奥永さん。たしかに、陸上競技場だとトラックなどがあるが、ここはサッカー専用スタジアム。しかも、日本代表戦も開催可能な4万人収容となっている。また、客席の上段はプレーする選手たちを俯瞰(ふかん)してみられるため、全体的に迫力十分にサッカー観戦を楽しめる。

そして、平日に取材をしたが、客席などに多くの人の姿がみられた。見たところなにかのツアーだろうか?奥永さんによると、こうした寄付によって建てられ、チームが管理するという官民パートナーシップな運営ぶりを見学に訪れる人もかなり多いという。

先月からはスタジアムの愛称の命名権を公募中で、「吹田」という文字を愛称に入れることが条件のひとつとなっている。公募期間は28日までだが、どのような名が付くのかも注目だ。

遠藤保仁選手「とてもすごしやすい」

 さて、こうしたスタジアムで実際にプレーしている選手らの感想はどのようなものなのか。そこで、練習を終えたばかりの遠藤保仁選手に話を聞いてみると、開口一番「まずは建ったばっかりなんでどこいってもきれいだし、外からみてもきれい」と笑顔で語り、ロッカールームも雰囲気が非常にいいため「とてもすごしやすい」と話した。

そして、この客席との近さについては「選手との距離が非常に近いので、選手の声だったりスタッフの声も聞けるし。逆に僕らはお客さんの声もたくさん聞けるので」と笑顔で答えてくれた。

チームについても聞いてみると「みんな仲が良くていい雰囲気。ボケと突っ込みとか関西のチームですよね。居心地のいいチーム。力を合わせてがんばります」と話してくれた。

藤春廣輝選手「楽しくみてもらえる」

 続いて、藤春廣輝選手にもスタジアムの魅力について聞いてみると、やはり「魅力は本当にファンとの距離が近いです。みてる方からしたら選手とすごい近いんで楽しくみてもらえると思う」と答えてくれた。

また「いやもうみんな明るいですし、上下関係もいい雰囲気でやってるんで、楽しいチームでもありますし、楽しくサッカーやれてるんで」と笑顔で続けた。

東口順昭選手「地元やし、夢みてた場所なんで」

 そして、東口順昭選手にもスタジアムのことを聞いてみると「ぼくも何度か観戦で観客席でみました」という意外な答えが。「グルメもいっぱいあって、いろいろと楽しめるかなと思います。サポーターとの位置が近いというのがいちばんの魅力だと思いますし」と話した。

東口選手は高槻市出身ということもあり「子どものころはエキスポランドがあって、太陽の塔があって、よくきました」と、スタジアム周辺にも思い出がいっぱいある。

「そうですねえ地元やし、夢みてた場所なんで。昔は(前のホームスタジアム)万博記念競技場をイメージしてましたけど、新しいスタジアムができて初年度から出れてるというのは、すごいありがたいことやなと思います」と力強く語った。

市民からの募金、そして官民連携など、まさに地元の力で運営している、この大阪のスタジアムだが、これからどのような名場面がこの場所から生まれるのだろうか。

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