ACL崖っぷちのG大阪…攻撃の要・アデミウソンが力説した逆転突破のための条件とは?

堂安とアデミウソンのコンビネーションは、大きな可能性を感じさせた。

 エースFWアデミウソンの離脱が発表されたのは4月14日のこと。9日の練習中に痛めた右足は、この日『右内転筋肉離れ』と診断された。

受傷日から数えれば、2週間強となる4月25日。正念場を迎えたACLグループステージ5節のアデレード・ユナイテッド戦にアデミウソンが戻ってきた。

2-2の状況で迎えた75分からの途中出場で、ピッチに立ったのは4分のアディショナルタイムを含めて約20分と短かかったが、今年のスタート時からみせていたキレは健在で、勝利を目指すチームの攻撃を加速させた。

「得点を取ることでチームをサポートしたいという思いが強かったのですが、残念ながらそれはできませんでした。ただ、コンディションは良かったし、怪我の悪化がなく無事にプレーできたことも僕にとっては収穫でした」(アデミウソン)

この日、ACLで初先発を飾ったMF堂安律とのワンツーでの息のあったコンビネーションも披露した。結果的に堂安のシュートは相手DFにブロックされたものの、新たな攻撃パターンの誕生を予感させるシーンだったと言っていい。

「律はとてもいい選手でポテンシャルも高い。前半に決めたゴールも素晴らしかったですが、彼がここからさらに伸びていく選手であることは、僕も含めチームメイトの誰もが感じていることだと思います。

一緒にピッチに立った時間こそ短かったですが、その中ではお互いの存在を感じながらプレーすることができました。今後、さらに一緒にプレーする時間が増えれば、より面白い攻撃を作れるはずです。

今日は残念な結果に終わりましたが、今はチームメイトの誰もが仲間のためにしっかりと戦えているので、これからもみんなでしっかりと気持ちを揃えて結果を求めて戦っていきたいと思っています」(アデミウソン)

加えて言うならば、アデミウソンのみならず、大宮戦に続き先発出場を果たしたMF藤本淳吾が好調を維持していることや、この日の公式戦では3月5日のJ1リーグ2節の柏戦以来、ゴールから遠ざかっていたFW長沢駿に当たりが生まれたこと。

また、その大宮戦で古巣から移籍後初ゴールを奪った新加入のMF泉澤仁ら、個々の選手のコンディションや、それによって作り出されるコンビネーションが充実を見せていることも間違いないだろう。

最終節の済州・U戦では、G大阪の『プライド』を見たい。

 ただ、それを『ゴール』という結果に結びつけなければ、結果的に勝点は積み上げられない。アデレード・U戦後、後半アディショナルタイムに追いつかれて引き分けに終わった理由について振り返ったアデミウソンの言葉が示す通りに。

「コンビネーションからチャンスを作っていたにもかかわらず、決めきれない場面がたくさんあった。そこを仕留めることができていれば、相手にプレーさせる元気を与えることはなかったと思う。僕も含め、追求するのは最後の精度の部分だと思う」

この日のアデレード・U戦での結果を受け、G大阪の勝点は4。グループステージ最終節となる5月9日の済州ユナイテッド戦(@済州)に勝利したとしても、同節のもうひとつのカードでアデレード・Uが勝利すればグループリーグ敗退が決まるという非常に厳しい状況に追いやられた。

また、G大阪は済州・Uとの直接対決で、4点以上を奪った上での3点差勝利が最低条件となる。決して簡単な数字ではないが、ここ数試合、勢いを増している攻撃陣が爆発すれば――。

自らグループステージ突破の可能性を絶ってしまわないためにも、済州・U戦ではG大阪の『プライド』を見たい。

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