【G大阪】PK献上に文句は言わず。倉田秋が日本代表への想いを“激白”

先制点の起点になるパスを放ったが、アディショナルタイムにハンドでPKを献上…。

[J1リーグ4節] ガンバ大阪 1-1 浦和レッズ
2017年3月19日/市立吹田サッカースタジアム

日本代表に2年ぶりに選出されたG大阪のMF倉田秋は19日の浦和戦、今野の先制ゴールにつながるパスを放って“ひと仕事”をした一方で、試合終了間際にペナルティエリア内でハンドのファウルを犯してPKを献上。1-1で引き分けたこの一戦、得点と失点、その両方に絡んだ。

「みんなに申し訳ないです」

試合後、倉田は開口一番、PKを与えたことについて謝罪。決して故意に腕でシュートを止めに行ったわけではなかったものの、「でも、手が出てはいたんで……」と判定に異を唱えることはしなかった。

この日は中盤の中央に3枚を並べる“3ボランチ”の右で先発したが、前半はシュート1対9と一方的に押し込まれた。それでも勝機を探るなか、57分、ボールを持った倉田が右サイドから中央にカットイン。

相手DFの意識がこの10番に集まったところ、左サイドにパスを展開。走り込んだ左ウイングバックのオ・ジェソクのクロスに、今野がヘッドで合わせて先制点が生まれた。

「(攻め込まれていたが)良い感じで我慢できていた。(得点シーンは)自分らしい色を出せた。持ち味と言えるプレー。あのようなプレーをどんどん出していきたい」

アグレッシブにスペースに顔を出しながら、チャンスを探る。そして試合の流れを読み、イメージ通りに相手の思惑の“裏”を突き、ワンチャンスを得点に結び付けた。

それでも倉田は「ただ、あの1回ぐらいだった」と、納得のいくプレーが限られたことを、自身でありチームの課題に挙げた。

テクニックと戦術眼を備えたうえで精力的にピッチを駆け回る、エレガントなダイナモ。そう例えて良いだろうか。現在の好調ぶりがハリルホジッチ監督に評価されて、今回、2年ぶりに日本代表に選ばれた。

長谷部誠の手術もあり得るという左膝の負傷により、中盤のあらゆるポジションを高いクオリティでこなせる倉田にも、状況によっては出場機会が巡ってくるシチュエーションは十分考えられる。

2015年の東アジアカップ以来の出場なるか――。28歳のミッドフィルダーは純粋に、ストレートな想いを語った。

プロ11年目、“エレガントなダイナモ”に巡ってきたチャンス。「ポジションを奪うぐらいの気持ちを見せて戦いたい」。

「めっちゃ、嬉しいです。こうした痺れる試合(23日にアウェーでUAE戦、28日にホームでタイ戦)に呼んでくれたわけですから、出場のチャンスを得たいというだけでなく、ポジションを奪うぐらいの気持ちを見せて戦いたいです」

やるべきことはひとつしかない。いや、やれるべきことはひとつしかない、と彼自身も思っている。

「今の俺の力は、ガンバでやってきたことがすべてやから。その評価していただいたところを、思い切り出してきます」

プロ11年目に巡ってきた二度目のチャンス。倉田秋はサッカー少年のような爽やかな笑みを浮かべて、決戦の地——UAEに向かった。

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